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もうひとりの自分

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第1話

何気なく窓の外に目をやると,空は鉛色.
今にも泣き出しそうな感じ.私はこんな空が大嫌い.
見ているだけで,なぜか無性に不安な気持ちになってしまう.
こんな空を見て,不安な気持ちになるようになったのは何時の頃からだろう?
あの人と知り合った日もこんな空.
不安に駆られて,追いつめられた気分で自分自身を制御できなくなっていた.
仕事からくるストレスも,もちろん影響してただろう.
会社帰りに渡されたテレクラのテイッシュ.
それがすべての始まり…….
*************************************

「ただいまぁ.」っていっても返事が返ってくるわけがない.
誰も部屋には居ないのだから.
わかっていても習慣で口から出てしまう.
帰宅早々,部屋に座り込む.
「疲れたぁ….何もしたくない.」
「やっと週末….ふぅ….」
夕食を簡単に済ませて入浴をする.
贅沢な入浴タイム.
入浴が大好きで,部屋を選ぶときは浴槽に拘った.
絶対,ユニットバスじゃなくて普通の浴槽がある部屋に住みたかった.
おかげで家賃は割高であるけど。
ゆっくりと時間を掛けて入浴することは実家を出る前からの憧れだった。
両親と暮らしていたときは父親に気兼ねし,ゆっくりと入浴時間を取る事が出来なかった.
厳格な父親で,長風呂なんぞをしようものなら「商売女じゃあるまいし,なんで風呂にそんなに時
間をかけるんだ!」と怒鳴られた.姉妹2人の長女ということもあり,小さい頃から婿を取って跡
を取る事を強制され,何度,理不尽なことをいう父親なんだと思った事だろう.母はそんな父親に
一切逆らう事など出来ずにいた.両親には猛反対されたが,就職を機会に家を出た.
週末は一時間半位かけてゆっくり入浴し,風呂上がりにはビールを飲むのが習慣となっていた.
その日もいつもと同じように過ごしていた.只,いつもと違っていたのはいくらアルコールを口に
しても不安な気持ちが晴れなかった.あの空を見たせいだったのかもしれない.
誰かと無性に話しをしたくなった。こんな自分の気持ちを聞いてほしい。
ふっと気がつくと帰路に渡されたテレクラのテイッシュを手にしていた.
不安な気持ちに耐えられなくなって,誰かと話がしたい.そう思って受話器を取っていた.
初めての経験だった.
音声ガイダンスが耳に響いた.
「コースはSMコースとノーマルコースです.SM,M女コースは1をプッシュして下さい.」
「SM,S女コースは2をプッシュして下さい.ノーマルコースは3をプッシュして下さい.」
自然に指は1を押していた.
「もしもし?」突然,若く明るい男の声が聞えてきた.
  「……」
「もしもし?」
  「…あっ……もしもし…….」
「よかったぁ.切られたかと思ったよ.」
「もしもし,聞いてる?」
  「…はぃ……」
「もしかしてさぁ,こうい所にかけるのって初めて?」
  「……はぃ.」
「そうなの?何かあったわけ?それでかける気になったわけぇ?」
  「……ぇえ,まぁ,いろいろと…」
「ふぅん~.そうなんだ.」
「ところでさぁ,君の名前は?なんて呼べば良いの」
  「…名前??…玲子」咄嗟に出た名前だった.
「俺の名前はよしのりっていうんだ.」
相手の男性は饒舌だった.
ワインを飲みながら,当たり障りのない会話が2時間以上も続いた.
  「あなたって不思議な人ね.」
「どうして?」
  「だってぇ…こんなたわいもない会話を2時間以上も続けてくれるんだもん.」
  「会話するのにかなりの料金を払うんでしょ?」
  「普通こんな所に電話して,こんな話を2時間以上する人ってあまりいないんでしょ?」
「はははっ.そうだねぇ.金かかるもんねぇ.普通はしないかも.」
「もっと違う話をしたくなった?」
  「もっと違う話って?」
「電話したときガイダンスを聞いて自分の意志でM女コースにしたんでしょ?」
「どうしてM女コースにしたの?経験あるわけ?」
  「いきなり話題を変えるのね.(笑)」
「まあ,様子を伺っていたのさ.君ってサクラじゃないようだし,ごく普通そうに思えるけど?」
「なのにどうしてこんな所に電話してきたのかな?って考えてた.」
  「きゃははっ.そう見えるの.今ねぇ,ワインを飲みながら電話してるから良い気分なの.」
  「よっぱの勢いで話しちゃおうかなぁ?」
「おもしろそうじゃん.話してよ.顔だって知らない相手なんだから,いいじゃん.」
今迄誰にも言えなかったこと….この時,初めて人に話した.
  「昔から願望はあったと思うの.でも,最近はその願望がすっごく強くなってきたの.」
  「多分,仕事のストレスが影響してると思うの.」
彼は優しく聞いてくれた.知り合ったばかりの相手なのに不思議と素直に言葉が出ていた.知らな
い相手に対する気安さからなのか…。
誰にも言えなかった自分の弱さ.気持ち.そして願望を…….
「その願望ってさぁ,現実に試してみたいと思わない?」
  「えっ!どうやって?」
「一度会ってみようよ.いいじゃん.無理な事はしないし」
  「……でも…」
「嫌なら帰ればいいじゃん.人目のある所で会えばいいでしょ?」
  「…でも…」
「来週の土曜日,仕事は休み??」
  「そうだけど….」
「今の状態から脱出したいんでしょ?」
「来週の土曜日の午前11時.浜松町の改札でね.今から俺の携帯の番号いうから書き取ってよ.」
  「行くとは約束できないけど.」
「それはそれで仕方ないじゃん.縁がなかったんだから.」
「あっ.そうだ.冒険ついでに,会うとき下着はTバックを着けておいでよ.」
  「えっ??何??」
  「そんなの持ってないわよ.無理よ.」
「そうなの.これを機会に買えばぁ?(笑)でさぁ,ノーブラでおいでよ.上着を着てきてもいい
からさぁ.」
  「なっ、なにを言ってるの??出来ないわよ.そんなこと.」
「いいじゃん.これは君自身を開放するための命令だよ.しておいでよ.」
「会うまで毎日電話しておいでね。待ってるから。」
  「そんなこと言われても…。」
口調はやわらかな感じで,決して強い脅しをかけるような物言いではなかった.
けれど…自分の中で彼の言葉に逆らえないような何かを感じていた.
どうしてそう感じてしまうのか,自身にも理解できなかった.
彼の言葉が心に重くのしかかってた。
結局、土曜日が来るまで毎日彼に電話をして色々と話しをした。
散々迷った挙げ句、約束の場所に行く前に駅の公衆トイレでノーブラになり、Tバックに穿き替え
た。待ち合わせの場所には時間通りに着いた。
第2話

待ち合わせの場所には時間通りに着いた。
出掛けるギリギリまで何を着ていくべきか迷った。時間に遅れそうになり、やっと着てい
く洋服を決めた。
可能な限り、身体のラインが、胸の突起が浮き出ないものを選んだ。胸元で紺と白の模様
が入ったリボンを結ぶ濃紺のブラウス、紺と白のストライプの膝上10センチ程度のミニ
スカートだった。胸元をいかに隠すか、ブラを着けていない事がわからないに様に、そし
てなにより自分自身毅然とした態度が取れるように清楚で硬い感じのするものを選んだ。
私の持つ赤いバック。それを彼が見つけて声を掛けてくるはずであった。彼は本当に現れ
るのだろうか? 待ちぼうけ…。それに、どんな人? 嫌なタイプだったら…。自分では
どんな人物なのか想像できなかった。不安な気持ちで一杯だった。着くと直ぐに声を掛け
られた。
「玲子さん?よしのりです。はじめまして」
にこやかに微笑み掛ける彼がいた。
  「あっ。そうですけど。はじめまして。」
「待ちました?」
  「…いえ。今、着いたばかりです。」
「こんなところで立ち話も変だから場所を変えましょうよ?」
そう言うと彼はごく自然に私の右手を握って歩き始め、私は彼に従った。
不思議な感覚だった。初めて会った人にいきなり手を握られて、何も違和感を感じていな
かった。なぜだろう? どうして? 自分自身に問い掛けても答えは見つからなかった。
歩きながら彼を観察した。ごくごく平凡な人。この人があんな命令をしたの? そう思わ
ずにはいられなかった。そう思いながらも自分もそっか。心の中で苦笑いをしていた。彼
が向かったのは貿易センタービルの展望台。その日は幸いな事に人気がまばらであった。
「気が強いって言ってたけど、全然そういう風に見えないよ。」
  「そうですか?」
「そうさ。だって今、緊張しまくりって顔をしているぜ。気が強いどころかオロオロって
感じ。」
  「………」
「言われた通りにしてきたの?」
  「えっ……」
彼はいきなり繋いでいた手を放し、腕を絡ませてきた。
  「あっ…。」
すかさず背中を指でなぞる。
「ふぅ~ん。えらいじゃん。言われた通りにノーブラだね。」
真っ赤になって俯くことしか出来なかった。
「じゃあさぁ、下もTバック?」
  「……」
「へぇ~、答えられないんだ。ってことは、Tバックなんだね。」
彼はニヤリと笑った。いきなりお尻をゆっくりと撫でられた。恥かしくて堪らなかったけ
ど、何故か抵抗できなかった。次の瞬間、いきなりスカートの上からTバックを捕まれて、
一気に上に引き上げられた。
  「あっ…。嫌ぁ…。」甘い言葉が出てしまったことに自分自身、驚いた。身体に電流
が走った。同時に大事な部分に焼き鏝を押しつけられたような痛み、それでいて今迄経験
した事のないような甘美な言いようのない何かを感じた。身体は確実に反応を始めていた。
「Tバック、食い込んだんじゃないの?甘い声だしちゃってさぁ。」
彼はにんまり笑うと私の顔を覗き込んだ。先程の彼とは別人のようだった。私は、自分の
反応を見事に言い当てられて羞恥心を煽られてしまった。さらに彼の手はスカートの上か
らお尻を撫で回し始めた。その手は次第に無遠慮に撫で回し始める。あまりの無遠慮な触
り方に思わず悲鳴をあげてしまった。
  「お願いです。止めて下さい。」
「やっぱりさぁ、玲子ってM女だよね。」
「感度もいいじゃん!」
いつのまにか呼び捨てになっていた。知り合って間もない人に、こんな理不尽な振る舞い
をされているのに何も抵抗できない自分に驚いていた。痴漢に遭えば捕まえて間違いなく
警察に突き出す自分が…。自分自身の行動が理解できなかった。
「まあ、ベンチに座ろうよ。」
彼に促され人気のないベンチに腰を掛けた。
「足を開いてよ。」
  「えっ?」
「足を開け!って言ったの。」
既に肩に手を回されて胸を触られていた。夢のような、自分でないような不思議な状況だ
った。
  「こんなところで? そんなこと出来ない。誰かに見られちゃう。」
彼は耳元で囁く。
「早く!足を開けよ。自分で触られる体勢になるんだ。自分の意志で」
魔術に掛かったようだった。
夢遊病者のように彼の言葉に従って、わずかに足を開いたと思う。その瞬間、彼の指は開
いた足の中に素早く入り込み、自由に動きまわっていた。身体が自然に彼を受け入れてい
た。
「俺との間に衝立てのように置いてあるバックをどけろよ。」
「もっと俺が、玲子を自由に触る事が出来るようにどけろ。」
素直にバックを置き換えている自分がそこにいた。
彼は更に片手を胸にまで延ばしていた。力強く乳房を掴まれた。
  「ああっ!駄目。駄目よ。お願いです。やめてください。」
「玲子ぉ。こんなに乳首を勃起させ、硬くして、あそこもぬるぬるじゃん。」
「こんな状態でそんな言い訳が通じるわけないだろぉ。グチャグチャだぜ。」
「それにどこで触られてると思ってるわけ? 公衆の面前だぜ。」
「誰か人が来るかもね。ははっ。」
彼の放つ言葉は心の内側に染み込んでいった。
彼の顔が覆い被さってきた。いつのまにか唇が重ねあっていた。私は、ごくごく自然に彼
を受け入れていた。まるで恋人同士のように。
何故?? どうして逆らえないの? そう思う反面、もしかすると・・やっと自分が変わ
れるかも。期待する気持ちの方が大きかった。身体は素直に反応し、幾ら鎮めようと思っ
ても逆らうだけであった。素直にあそこは反応し、濡れていた。自分の意志でどうする事
も出来なかった。
私は散々彼に嬲られた。
言葉と指で……
彼はその場所から移動することを私に告げた。
  「あのぉ…お手洗いに寄りたいの。」
「駄目だよ。下着を直したいんでしょ。」
  「…お願い…。」
「駄目だよ。許さない。そのまま移動するよ。」
  「………」
「駄目だね。許可できないよ。下着も濡れて気持ち悪いんでしょ?」
何も言わなくても、彼には私の身体に何が起こっているのか把握できていた。身体は確実
に理性を裏切り反応し続けていた。媚肉から溢れ出てくるものを止める事など出来なかっ
た。
「こういう状況で自分の身体が反応して、感じて濡れたってことを自覚するんだ。これが
本当の玲子の姿さ。」
そこまで言われた私は何も言えなかった。彼は再び私の手を取り歩き出した。
電車の中は人影がまばらであった。
彼は肩を抱きながら再びスカートの前面の上から改めてTバックを引き上げた。
  {きゃぁ! あっ!」
再び引き上げられた事により、Tバックはより一層媚肉に食い込んだ。敏感な部分にまで
きっちりと。
「んっ?なに、色っぽい声出してるんだよ。感じてるわけぇ?」
  「あっ…お願いです。トイレに行きたいんです。」
  「駅に着いたらトイレに行かせて下さい。お願いです。」
「駄目だね。許さない。」
彼の目を見て…抵抗できない自分を悟った。
そのままTバックを食い込まされて歩くことを促された。媚肉からさらに愛液は溢れ出し、
太股を伝い落ちている事がはっきりと自覚できた。止めたい! 必死で堪えようと思って
も身体は理性を裏切った。一歩、歩く度に敏感な部分に食い込みは増し、燃えるような熱
さと痛み、同時に押さえ切れない快感を味わっていた。思考能力は止まり、ただ快感に身
を任せ始めていた。
「腰をくねらせて歩いているぜ。恥かしくないわけ?」
「卑らしく腰を振って歩いて淫乱さが滲み出てるぜ。」
私は、まるで夢遊病者のように彼の後に従っていたと思う。
向かったのは鴬谷。
第3話

鴬谷の駅から直ぐ近くのホテルに入った。
彼は当たり前のように部屋を選び、素直に従う私がいた。
エレベーターに乗り込む。乗り込むや否やブラウスのリボンを解かれ、ボタンを外し始め
た。広がった胸元に、当然のように彼の手は滑り込み、胸を揉み始めた。乳首は敏感に反
応し、硬く尖り始めた。
重要な仕事がある朝は、必ずスーツを着て出勤した。着るもの一つで自分を毅然とさせ、
奮い立たせる事が出来るから……。でも、今日はどんな服を身に着けようと、きっと関
係なかった。何の効果も無く、着衣は乱されていく。

  「お願い。止めてください。誰かに見られたら。」
「いいじゃん。ここはそういうことをする場所なんだぜ。誰も不思議には思わないぜ。」
エレベーターを降り、部屋に入る間も休みなく責めは続いた。既にやっと歩ける状態だっ
た。休みなく押し寄せる快感に逆らえなかった。
「君って、やっぱりMだね。M体質なんだよ。自分でも分かっているんでしょ?」
  「……そんなことないです…ぅ」
「じゃあさぁ、確認しようよ。Mじゃないんでしょ?」
  「でもぉ…。」
彼から逃れられない自分がいた。既に彼の腕に絡め取られて…。彼の顔が覆い被さり、唇
をむさぼられた。耳元に唇を這わせ、囁いた。
「玲子。感じてみろよ。感じさせてやるよ。壊れるぐらい。」
「今迄と違う女に変えてやる。」
私の奥深くに隠された扉が叩かれた。耳元に絶え間なく囁かれる言葉。
彼の手で上半身はすっかり乱され、胸は露出していた。すでに硬くなった乳首に彼は舌を
這わせ、胸を揉みしだく。時々、乳首に歯を当て、噛む。下半身も乱され、指は遠慮なく
太股の奥を狙ってくる。あそれでも残っていた理性が太股を硬く閉じるように努力する。
けれど、乳首を噛まれた瞬間力が抜けた。彼はそれを見逃さなかった。強い抵抗を始める
と再び乳首を噛まれた。そして、私の力が抜ける。彼はそれを繰り返し、ついには太股の
奥に指を進入してきた。既にそれを受け入れたがってる自分がいた。容赦なく肉裂を嬲ら
れた。身体は確実に、今迄経験した事のない感覚を味わい始めていた。そして、自分自身
の変化に戸惑っていた。
  「ひぃ…やめてぇ…。許して下さい。」
「見ろよ。もぉ、あそこはドロドロだぜぇ。(笑)」
「こんなに感じているくせに。何がやめて下さいだよ。グチャクチャもいいところだぜ。」
「身体は素直なのに口は素直じゃないなぁ。まあ、そう言っていられるのも今のうちだけ
だよ。」
「今に自分の口からおねだりをするようになるさ。」
  「そんなことありません。やめてください!」
しかし、身体は言葉を裏切っていた。彼の容赦ない責めに身体は蕩け始めていた。秘部は
熱く痛いほどに膨らみ始め、熱さを押える為のものを持ち望んでいた。しかし、必死で理
性を呼び戻そうとする自分がいた。そして理性を封じ込めようとする自分もいた。
まだ優等生ぶるの? あなた馬鹿じゃない! ここまで何の為に来たのよ。日常のあなた
のことを何も知らない男なのよ。これが、きっと壊れる最後のチャンスよ。無駄にするの。
もう一人の自分が叫びだす。
決断できないまま自問自答を繰り返し、僅かな抵抗をしていた。
その時、彼が投げかけた言葉。
「あんまり抵抗するとさぁ、マジに縛るぜ。」
その言葉に、心の奥の扉が開き始めた。彼の目は雄の目だった。長い間持ち望んでいた、
自分より強いと思える雄の目だった。待ち焦がれていた。
縛ってよ。縛って。縛れるものなら…お願い。縛って。私を抵抗できないようにして。そ
して壊して。心が悲鳴をあげた。私は彼に自由を奪われたくて、どうしても奪われたくて
抵抗を続けた。心の中で彼に縛られる事を何度も祈りながら。自分が認めることが出来る
男にだけ、組み伏せられたかった。雄の力で。
「決めた。マジに縛る。こんな場所だから浴衣の紐しかないけど。」
「玲子を開放する為に縛ってやるよ。」
彼に、生まれて始めて後ろ手に手を縛られた。ホッとしている自分がいた。これで自由に
なれる。やっと開放される。自分の理性がプライドが邪魔をしない、本当の自分が出せる。
言葉と身体は裏腹だった。
  「いやぁ…やめてぇ…。許して下さい。」
四つん這いで這っている自分がいた。手を使えず、なす術の無い惨めな格好で晒し者にな
っていた。言葉では許しを請うても、身体は責められる事を望んでいた。スカートは取り
上げられ、既に全裸の状態であった。秘部を彼の前に晒した。いきなり指を入れられ、責
められた。
「聞こえるだろぉ?グチョグチョという音が。おまえのあそこの音だぜ。」
「男を欲しがって、入れて貰いたくて騒いでる音だぜ。」
部屋の中に響き渡るグチョグチョという音。自分自身が立てている音を聞く事は耐え切れ
なかった。しかし、許されるはずもなく、容赦なく、わざと音をたてられ、ゆっくりとい
かされることなく責められ続けた。彼は執拗に音を立てて私に聞かせた。ついには、敏感
な部分は剥き出しにされ、爪を立てられた。
  「きゃぁああ!あっぅ。はぁ…ぁ…ぅ。お願い。許して下さい。」
「駄目だね。」
  「おかしくなります…。ぁ…ぁっ…。」
容赦ない、けれどいかされることなく彼の責めは続けられた。縛られている事によって自
由を奪われ、抵抗することもできなくなり責めを感受していた。
今迄、いつも、誰とSEXしても快感を最後までいった事はなかった。快感を受け止めた
い!そう思ってもいつも理性が邪魔をした。快感から身体は逃げ、快感を演技し続けてき
た。そうすることしか出来なかった。
感じる事を恥かしい事だと思ってきた。我を忘れる、そんなこと出来るはずが無かった。
いった素振りを見破れずに満足する男達。""馬鹿な男""そう思ってきた。
馬鹿じゃない!満足しているか、してないかを見破る事も出来ないなんて。女がいったか、
いかないかはわかるですって? ばぁーか! そんなもん見破れるわけないでしょ。
子宮が締め付ける? そんなもの演技出来るのよ。少しぐらいの締め付けなんか自分で意
識すればどうにでもなるの。幸せな人ね。私の身体も心も貴方の自由になんか出来ないの
よ。所詮、男なんて馬鹿な生き物。
そう思い続けてきた。負けたくない、男には。男の自由になんかならない。
そう思う事は屈折してる…自分が一番わかっていた。何故、好きな男に対してもそう思
うの?わからない。でも、そう思って生きていかなければ自分が保てない。自分を見失っ
てしまう。
いきなり目の前に彼の指が差し出された。彼は私にその指を見る事を強要した。ゆっくり
指は広げられた。広げられた指からは、愛液が糸を引いていた。屈辱的だった。
第4話

「見ろよ玲子。これがお前の身体の素直な反応さ。」
「口ではどんなに抵抗の言葉を言おうとも、お前の身体は正直に反応する。」
  「いやぁああああああ!見たくない。」
「見ろよ!自分の身体の反応を!」
髪の毛を捕まれ、俯いた顔を引き起こされた。目の前に突き出された指を見る事を強要さ
れた。目を開けてみる事など出来るわけが無かった。思わず視線をそらした。その瞬間、
顔を出し始めた秘唇に爪を立てられた。
  「きゃぁっ!」
「ほら、見るんだ。自分の愛液にまみれた指を。」
「自分で認めるんだ。淫乱な自分を。」
「認めてしまえば楽になれる。」
  「やめてぇ……。やめてください。許して。」
彼は顎に手を伸ばし、俯いている私の顔を上げさせ覗き込む。ゆっくりと耳元で淫靡な声
で囁く。
「玲子。今から感じさせてやるよ。好きなだけね。」
「ただし、クリト○○だけでね。何度でも感じさせてやるよ。」
  「ぁぁっ…ん…。」
いきなり唇を塞がれる。ゆっくり、秘唇をなぞり始める。今し方、爪を立てられた事によ
って敏感さを増し、剥き出しにされた秘唇を突っつき、指で転がし始める。身体は意志に
逆らいジンジンと熱さを増し、愛液がとろとろと流れ出す。
「感じてるよね。大洪水だぜ。いきたくて堪らなくなるさ。」
「だが、指でクリト○○を嬲るだけだ。決していかしてなんかやらないよ。」
「イク寸前で止めてやるよ。ふふふっ。」
「玲子が自分から望まない限りね。」
「いかせて欲しいなら、自分からお願いするんだ。」
愛液で濡れた指で、私の唇をゆっくりなぞる。愛液が充分、唇を濡らすように。
「この口でお願いするんだ。どう?自分の愛液の口紅だぜ」
「淫乱な言葉を口にするお口にぴったりな口紅だよねぇ。」
彼は残酷に言い放つと、笑みを口元に浮かべた。
「自分の中に入れて欲しいとお願いするまで何度でもクリト○○を嬲ってあげる。」
「すでに愛液で下のお口もグチョグチョだぜ。」
  「い…や…ぁ…。そんなこと…。」
  「ぁっ…。いえません。…ぅっ…。」
今迄、経験した事の無い辱めを受けながら徐々に昇ってくる快感を防ぐ事などできる筈も
無かった。
その言葉通り、彼の責めは何度でも続いた。けれど、決していかせてはくれなかった。甘
美な波が広がり始めていた。しかし、昇り詰める寸前で指は止められ、甘美な波が引き始
める。引き始めた波を引き戻すように秘唇に当てられた指が再び動き出す。そして耳元で
囁かれる。
「いかせてなんかやらないよ。ふふっ。」
「何度でも同じ事を繰り返してやるよ。いく寸前で止めてやる。」
「いきたくて仕方ないだろ?」
  「あぁ…もうだめぇ…。許して下さい。」
  「はっぁ……お願いです。いかせて下さい。」
  「もぉ…駄目です。」
思わず口走っていた。強要されたからではなく、身体が発した言葉だった。
彼は勝ち誇った顔で、耳元への囁きを続ける。
「どうして欲しいか、お願いしてみな。」
  「はぁ…ぁあ…。いかせて下さい。」
「どうやっていかせてほしいわけ?」
  「ぁっ、どうでもいいです。どうでもいいからお願いです。いかせて下さい。」
「駄目駄目!具体的にどうして欲しいかお願いするんだ。」
  「いやぁ……。もぉ…駄目です。」
「俺の言う通りに言うんだ。」
「お願いです。玲子のぷっくり膨らんで疼いているクリト○○を嬲っていかせて下さい。
って。」
  「ぁっ…。」
「早く、お願いしろよ。でないと絶対いかせないぜ。このままの状態を続けるよ。」
  「いやぁ…ぁ…。そっ…それだけは…嫌ですぅ」
  「ぁ…っ…。おね…がぃですぅ…。玲子の…クリト○○を嬲ってぇ…。」
「駄目だね。」
  「はぁっ…。どうして……。」
「今の自分のクリト○○がどういう状態か言ってないだろ。」
「ぷっくり膨らんで疼いているって言葉が抜けてるだろ?言えよ!」
  「ぁぁ…そんなこと言わずに…。ひぃいいぃぃぃぃぃぃ!」
「駄目だね。」
  「…ぁ…っ…。ぉねがいですぅ……。れっ…れいこのぉ、ぷっ…ぷっくりぃ膨らんでいる、
ぅぅうずいているクリト○○を嬲って下さい!」
  「ぁあああっ……」
「ふふっ。よぉーし、いい子だ。いかせてやるよ。」
  「ああぁっ、いぃ…。たまらない…。」
  「もぉ…だめですぅ…。いっちゃう。だめぇぇぇぇぇ。」
  「あっ……いぃぃ……」
生まれてイクことを知った。あられもない言葉を発し、突っ伏した。
身体が理性を裏切った。確実に。彼のクリト○○への責めは続けられた。
何度でも繰り返し……。
第5話

  「あん…あっ…ふぅん…。」
  「ぁぁ…ん…。駄目ぇ!あっ…いっちゃう。やめて!」
  「きゃあぁ……っ。」
「またいったの。ふふふっ。」
「淫乱な身体だよね。何度いってもいき足りないんじゃないの?」
既に彼の手によって何度も昇りつめていた。イクたびに足に力が入り、ガクガクと震え、
何度、突っ張ったことか。それでも彼の手によって昇りつめることを身体は嫌がっていな
かった。
  「ぁ…ぁ…っ。お願いです。休ませて下さい。その手を止めて下さい。」
「駄目だね。まだいき足りないでしょ?」
「クリト○○だけでは満足できないんじゃないの?」
  「ぁ…っ…はぁ…。いやぁ……。」
彼は、指をいきなり潤みきった媚肉の中に一本だけで入れた。しかし、動かさずただ入れ
るだけ。
  「えっ!なに?」
「別に入れただけさ。何にもしてないよ。」
「何かしてほしいわけ?動かしてほしいの? 」
  「い…いやぁ…。ほしくなんかありません。」
彼はニヤッと笑った。指を入れただけで動かす事はなかった。しかしクリト○○への責め
は続けられた。
「そろそろ動かしてほしい?」
  「あ…あっ。抜いてぇ…。お願いです。抜いて下さい。」
「身体はこんなに素直なのに、まだ口は素直にならないわけ?」
「ほらぁ、おま○こは大洪水を起こしてるぜ?」
  「ひっ…ひっ……ひどい!!」
「欲しいくせに。無理は身体に毒だよ。いや、おま○こには毒かもね。」
彼は卑らしくニヤけた笑いを投げかける。
入れられただけで責めを受けない媚肉が焦れ始めていた。彼は私がそういう状態であるこ
とを十分知っていた。知った上での責めだった。
  何故? どうして? 戸惑いながらも身体は求めてる。
欲しい。自分から欲しいと願った。中に入っている指を動かして欲しい。掻き回して! メ
チャクチャに掻き回して! 身体が、子宮が彼を欲しがっていた。
「玲子ちゃん。指をそんなに締めつけないでよ。ふふっ。」
「中がひくついているぜ。指を掻き回して欲しいんだろ?」
「遠慮するなよ。お願いしてみろよ。」
  「お願いです。どうか部屋を暗くして下さい。お願いです。」
「だめだよぉ!」
  「お願いです。恥かしいんです。」
  「明かりを、どうか明かりを暗くして下さい」
「駄目だね。玲子の卑らしく乱れる姿を見てやるよ。」
  「いやぁああああ!」
「駄目なものは駄目さ。」
「さぁ、早くお願いしろよ。」
自分の媚肉が彼の指を締め付けているのがわかる。身体が彼を欲した。
  「あっ…。お願いです。もぉ、駄目です。」
「何が駄目なの?」
「何がどう駄目なのさ?詳しく説明してよ。」
  「そっ、そ…ん…なぁ……。」
  「そんなことを言わずに……お願いします。」
「何をどうして欲しいか、お願いしてみな。」
  「ぁっ……だっ……だ…だからぁ…お願いです。いかせて下さい。」
「今だってクリト○○で十分いってるでしょ。いきたいならそれでいいじゃん。」
  「そっ、そうじゃなくて…そうじゃなくて……」
「そうじゃなくて何?」
「さっきはどうお願いしたんだっけぇ? 思い出してごらんよ。」
「どうやっていかせてほしいわけ?」
  「あっ……。嫌です。そんなこと言えません。」
「言えなきゃ仕方ないよね。どうしてほしいか俺には分からないもん。」
彼は意地悪く、にやけた顔を私に向ける。
「具体的にさぁ、どこをどうしてほしいのか言ってもらわなくちゃ。」
「言うまで何もしてやらないよ。」
「駄目だね!具体的にどうして欲しいかお願いするんだ。」
  「ひどい…。どっ、どうして…どうして私にこんなことをするの?」
「ひどいこと?心外だなぁ。」
「好きなんだろぉ?苛められるのが?」
媚肉は熱く焦がれ、身体は火照っていた。どうしようもなく身体は自然にもじもじと動い
ている。彼はわざとくびれた脇腹、盛り上がったヒップを撫でる。
  「お願い!もぉ…早く…早くどうにかしてぇ。」
「どうしてほしいのかなぁ?言ってごらん?楽になれるよ。」
  「あぁ…。このままじゃ駄目なんです。わかってるんでしょ?」
  「お願いです。ほしいんです。」
「だからさぁ、何処に何がほしいわけ?」
「俺の言う通りにお願いするんだ。」
「どうか、玲子のおち○ぽが欲しくてヨダレを垂れ流しているおま○こに、おち○ぽを嵌
めて下さい。」
「ほらぁ、言ってみろよ。」
  「いあやぁああああ!そっ、そっんなぁ。そんなこと言えません。」
「じゃあ、ずっとこのままだね。」
  「お願いです…。許して下さい。」
「駄目だね。言えよ!」
  「ぅ…ぅっっ…。どうか…どうか…玲子のお…ぉ…。」
「おち○ぽが欲しくてだろ?ささっと言えよ。」
  「おち○ぽが欲しくてぇ…よっ…よだれを垂れ流しているお…おっおっおま○こに…
…。」
「さっさと言えよ。おち○ぽを嵌めて下さいだろぉ?」
  「ぅっ…ぅっ…ぅぅぅ…おち○ぽを嵌めて下さい。」
「まあ、最初だからそれぐらいで許してやるよ。但し、これからはそういうわけにはいか
ないからね。」
「今回だけは仕方ない、嵌めてやるよ。」
彼は私をうつ伏せに転がした。手を縛られ、身体を支えることもできず、お尻だけを突き
出したような死ぬほど恥ずかしいポーズをとらせた。

第6話

彼は私をうつ伏せに転がした。手を縛られ、身体を支えることもできず、お尻だけを突き
出したような死ぬほど恥ずかしいポーズをとらせた。
****************************************
「さて、玲子ちゃん。どう、嵌められたいの?」
彼は勝ち誇った顔で、言葉で責める。お尻をゆっくり撫で回す。明るい部屋の中であられ
もない姿を曝け出すのは初めての事だった。
ベッドに顔を押し付け、お尻だけが高々と上げられた姿勢のまま、足を広げさせられてい
る。
「あららぁ。玲子ちゃん。愛液が太股にまで垂れてるぜ。」
「こんなに濡らしちゃってさぁ、やっぱり根っからのマゾなんだよね。」
「ほぉらぁ、おま○こがヒクヒクしてるぜ。」
彼は耳に息を吹きかけながら言葉での嬲りを続ける。
男性に抱かれる事は決して初めての事ではなかった。しかし、こんな明るい中で眼にする
のは未だかつて経験がなかった。
明るい中で抱かれる事を嫌い、必ず明かりを暗くするように願った。その願いが聞き届け
られなかったことはなかった。
何よりも、感じている自分の表情を見られるのが嫌だった。いまだかつて誰にも見られた
事のない秘所を剥き出しにして弄ばれている屈辱に心が震えていた。
にも拘らず、身体は蕩け始めていた。彼の容赦ない責めは続いた。
彼は私の前に仁王立ちになり、ゆっくりとジーンズのベルトをゆるめた。自らトランクス
を脱ぎ捨て全裸になった。
「ほおらぁ、よく見ろよ。玲子。」
「今からこれでイカせてやるから。」
彼はニヤニヤ笑いながら彼自身をしごいた。
彼自身は弾けるように天を向いていた。こんな明るい部屋の中で男性自身を眼にしたのは
初めての事だった。
彼自身のものは、今迄自分が目にした事のない大きさだった。あんな物が自分の中に入っ
てこれるのだろうか? 想像するだけで恐ろしかった。
「玲子ちゃんはどんな嵌められ方をしたいのかなぁ?」
「明るい中で悶える顔を見られながらイキたい? それとも雌犬のように四つん這いにさ
れて後ろから嵌められたい?」
「最初だから玲子ちゃんのお願いを聞いてあげるよ」
  「いやぁあああああああああ。やめて! やめて下さい。」
隆々となった男性自身を、これ見よがしに目の前に突きつけた。思わず顔を背けて逃れよ
うとしたが、彼が許すはずもなかった。容赦なく私の髪を掴み、彼は顔を彼自身に引き寄
せた。
「駄目だよぉ。逃げたりしちゃぁ。」
「ほらぁ、さっきのように素直にお願いしてごらんよ。ほしいんでしょ?」
「言わないならいいや。前と後の両方でイカせてあげるよ。」
  「いやぁっ……。」
「口では嫌がっても、おま○こはベチョベチョだよ。」
せせら笑いながら、彼はいきなり秘裂に彼自身の先端を押し当てた。
瞬間、身体中に甘美な電流が走った。と同時に一刻も早く奥まで受け入れたい。そう願い
始めていた。身体も心も。
そう願いながら口から出た言葉は、僅かに残っていた理性の言葉だった。
  「うぅっ…いっ…いやぁ…。」
「なに嫌がってんだよ。おま○こ、グチャグチャにしておきながらさぁ。」
「嫌がっても、先っぽは入ってるぜ。」
いきなり身体をひっくり返されて、仰向けにされた。抵抗など出来ないまま、いきなりの
しかかって、いきり立った彼自身を秘裂に押し込んできた。経験した事のない大きさに痛
みを覚え、めりめりと音を立てて裂けていくように入っていく。
  「あっ…きゃぁあああああ! いやっぁあああああ! やめてぇえええええええ!
  「いっ…痛い! いたぁーーーぃ! いやぁあ! 抜いてぇぇぇぇ!!!」
「今更、遅いよ。もう入っちゃったぜ。」
「ほらぁ。入ったのがわかるでしょ?」
抵抗など出来ぬまま、彼自身は秘孔の奥を目指して突き刺していた。ゆっくりと出し入れ
を始める。
  「痛い!痛いの。お願いです。抜いて、抜いて下さい。」
彼から逃げるように、動けないながらも身体が必死に上にずり上がる。
彼は卑猥な笑みを浮かべながらくびれた腰に手を回し、引き寄せる。既に後ろ手に縛られ
ている体勢で身動きの出来る状態ではなかった。彼はズボズボと腰を使って出し入れを続
ける。
私の身体は痛みの声をあげた。
  「ぐっ…。いやぁっ。」
「何言ってんだよ。初めてじゃぁあるまいし。」
「今にさぁ、嵌められる事が病みつきになるぜ。」
「自分からケツをつきだして「いれて下さい。」ってお願いするようになるんだよ。」
言い終わると、彼は肩を掴み一気に深く貫いた。痛みを感じていたはずの身体が変化を始
める。子宮が締め付けを始め、愛液がとめどなく溢れ始める。身体は火照り、素肌は汗ば
んでくる。頭がくらくらとしてくる。
  「あぁ…変になっちゃいます。いやぁ…あはぁ…」
彼は耳元で囁く。
「ほぉーら。雌犬の顔になってきたぜ。」
「明るいからよく見えるよ。淫乱になった玲子の顔が。本当にスケベそうな顔をしてるよ
なぁ。」
「おま○こも、玲子の愛液でグチャグチャだぜ。音が聞こえるぜ。」
「そろそろイキたいだろ?」
「今日は最初だから、いかせてやる。ただし、イク時にはちゃんと「イキます」って言え
よ。」
彼は耳たぶを甘噛みする。喘ぎ声が激しくなり、自分で喘ぐ事を止める事が出来ない。
  「あぅ…ぅぅ…。」
  「あっ。あぁ…駄目ぇ。いやぁ。変になっちゃう。」
「ほら。イケよ。」
身体がトロトロに融ける。骨までとろけるような甘美な刺激が身体中に広がっていく。
  「駄目!だめぇ。あぁ…イキます。いっちゃいます。」
  「はぁ…。我慢できません。いっ…イクうぅ…。」
今迄経験した事がない、途方もない快感の波が押し寄せる。身体が痙攣し、目の前がまっ
白くなっていた。
第7話

ふっと目が覚める。寝返りをうった瞬間、身体が軋んだ。
「痛い!」
時計を見ると既に13時を回っていた。15時間以上も眠りこんでいた。
「身体中が痛い…。そっかぁ…昨日の事は、夢じゃないんだ。」
「シャワー浴びなきゃ。汗、かいちゃった。」
身体中に倦怠感が広がっている。結局、昨日はあれから何度も絶頂まで押しやられた。
ラブホを出てから軽いアルコールと夕食を共にした。
ごく普通に、さっきまでのことが嘘のような、何事もなかったかのように友達として
いろいろな会話をした。不思議な感覚だった。
今しがたの事が嘘のよう。そう、夢見ごこち。
夢のような出来事だった。彼とかわした会話の内容は殆ど記憶になかった。
どこをどう帰ったのか…。
帰宅し、シャワーを浴び、そのままベッドに直行した。
昨日の事が、走馬灯のように思い出される。散々、彼に嬲られ、辱められた。
けれど…。
けれど、感じていた。恥かしいと思いながらも、抗う事は出来ずに甘受していた。
別れ間際に投げかけられた言葉。
「週末、電話してこいよ。」
二度と会わない。最初で最後。心に誓う。
一方で、絶頂に追いやられた記憶が鮮やかに蘇る。
「あんなに感じた事はなかった……」
素直な気持ちだった。身体がめちゃくちゃ、けだるかった。彼の言葉が思い出される。
私の心を掻き乱す。
「玲子。イキたかったら言えよ。玲子は貴方の奴隷になりますって。」
「誓えよ。イカせて貰う為には何でもする奴隷になります。嵌めて下さいってお願い
しろ。」
「ほらぁ、腰を使えよ。嵌めたいんだろ。自分で腰を振るんだよ。」
「雌犬には、腰振りはお似合いだろ?」
次々と投げかけられた言葉の数々。思い出すだけで顔から火が出そうになる。
「二度と彼とは会わない。電話もしない。」
心に誓った。
月曜日。身体中の軋みは消えてなどいなかった。
「会社を休もうかなぁ……。」
そんなこと出来る筈ない事は、自分が一番良く分かっていた。仕事、優先。
一日休んだら仕事が溜まるだけ。
「ほらぁ。玲奈らしくないなぁ。」
「こんなことで休もうなんて考えないの!永井玲奈、ファイトでしょ!」
自分に言い聞かせる。鏡に映った自分を見て、両手で頬を軽く叩き、気合いを入れる。
「おはようございまぁーす!」
  「おはよぉー! 玲奈。」
  「なんかさぁ、疲れた顔してるけど?」
「えっ!そう?そんなことないよ。休み中に寝過ぎて顔がだらしなくなってるだけよ。」
社内の友達とかわす何気ない会話。そこには、休み前とは違っている自分がいた。
そんなことに関係なく、いつもと変わりない日々が始まる。
  「山下君。このサンプルの分析はいつ終わるの?」
「えっ。これですか? ちょっ、ちょっと待ってて下さい。えぇっと……。」
「これですか。予定では今日分析が終了する予定です。報告書は明日になります。希望は
金曜日と言う事でしたので十分間に合うと思います。」
「そう。それじゃぁ永井君、よろしく頼むよ。」
「…すいません。山下さん。差し出がましいとは思いましたが。」
「いやぁ、助かったよ。谷本主研は気が短いから。機嫌を損ねなくてよかったよ。」
「ねぇ、ねぇ、玲奈ぁ。まったく山やん、つかえないよね。スケジュール管理なんて
さぁ、リーダー の仕事じゃん。それも把握してないなんてさぁ。いっつも玲奈を頼り
にしてさぁ、ムカツクよね。」
同僚の葉子が声を掛けてくる。彼女は私より入社が早いが、同い年で職場も同じ、気が合
う友人である。
「仕方ないよ。」
「まったくさぁ、いつもやさしいんだから。」
「ところでさぁ、この報告書ってさぁ、どう書くの? これでいいの? 教えてよ。」
「玲奈だけが頼りなんだからぁ。」
「どうせさぁ、山やんに聞いても自分で調べてよって言われるだけだもん。」
「はい、はい。見るからそこに置いておいて。期限はいつまで?」
「期限をポストイットで書いておいてね。忘れちゃうから。」
いつもと同じことが繰り返される。何ら先週と変わりない。自分に起こった出来事以外は。
いつもと変わりなく仕事をこなしていても、何かの拍子で身体が軋む。
週末の出来事を無理矢理思い出させる。
仕事に打ち込みながらも、心のどこかで週末のことを思い出していた。
何気ない拍子にフラッシュバックする。

「玲子。今日からお前は俺の奴隷だ。わかっているよなぁ?」
「……。」
「何やってんだよ。早く言えよ。奴隷だって。」
「今更、遅いよ。さっきあれだけイキまくってたくせにさぁ。」
「奥まで突っ込んで下さいってお願いしただろ?」
「卑らしく、ケツを振りながらさぁ。」
「いやぁああ!言わないで。聞きたくない!」
「何?何が嫌なの?玲奈ぁ?」
「どうしたの?突然?」
「えっ?」
「あっ…あぁ…ごめんなさい。ちょっと考え事をしてたの。」
「嫌な事を思い出しちゃった。」
「大丈夫? 疲れてるんじゃないの?」
「しっかりしてよぉ。玲奈に休まれたら困るんだからぁ。」
「山やんなんか役に立たないんだからさぁ。」
「はい。はい。大丈夫よ。ちょっと考え事をしてただけだから。安心してね。」
いけない。こんなことじゃ、駄目。仕事、しなくちゃ。週末の事は忘れるの。
自分に言い聞かせる。言い聞かせても身体中に週末の痕跡が残ってる。
忘れる事など出来るはずがない。思い出すだけで身体の中が疼きだす。
そう。あまりにも衝撃的な出来事を忘れられる事など出来るはずがない。
自分が一番よく分かってる。
もちろん、そんな気持ちを彼も十分わかっているはず。
わかっているから、わざと余韻が残るように仕組んだ気がしてならない。
そう考えずにはいられなかった。
その考えが間違えてなかったことは、後日、嫌というほど思い知らされた。
第8話

 「玲奈ぁ!今日、飲みにいかない?」
 「今日?う…ん…。」
 「何?何か先約でもあるの?」
 「別に用事はないけど、今週はちょっと疲れたから。しんどいかなって思って。」
 「だからさぁ、飲みに行こうよ!ぱぁーっとさぁ。」
 「ごめん。やっぱり止めとく。こんな日に飲んだら悪酔いしそうだもん。」
 「なんだぁ…残念。」
同僚の葉子の誘いを断って家路につく。いつもの通り、軽く夕食をし、入浴する。
輸入物の入浴剤を入れ、ゆったりと1時間半かけての入浴。1週間を振り返る。
大好きな薔薇の香り。いつもなら…穏やかな気持ちになるはずだった。
気分がすっきりと晴れない。理由はわかっていた。
お風呂から上がり、ビールを口にする。自然に受話器に手が伸びる。
受話器を握り、耳にあてる。発信音が聞こえる。けれど受話器を置いてしまう。
そんなことを何度も繰り返す。
 「電話しないの?」もう一人の自分が問い掛ける。
   「出来るわけないでしょ?」
 「どうしてなのよ。本当は電話したいくせに。なに我慢してるのよ!」
   「だぁって…」
 「だってなによ。彼に抱かれて、あれだけ感じたくせに。」
   「やめてよ!そんなこと言わないで!」
 「なに気取ってるのよ。馬鹿じゃない。」
もう一人の自分が受話器をとり、電話をかける。
トゥルルゥ……発信音が響く。誰も出ないで! 出て! 思いが交差する。
 「はい。」
懐かしいと思える声が聞こえる。
 「もしもし?」
   「……」
 「もしもし、玲子でしょ?」
   「……はい」
 「どうだった?今週は?」
   「えっ?何が?」
 「玲子の身体がどうだったか聞いてるんだよ。」
   「……」
 「あれだけ土曜日に嵌められてイキまくれば身体中、ボロボロだったろ。」
 「そう簡単に何事もありませんでした。ってことにはならなかっただろ?」
冷笑を浮かべる彼の顔が目に浮かぶ。
彼のいきなりの発言に、電話をしようかなどと迷っていた気持ちはどこかに吹き飛んでい
た。
 「どうなんだよ?」
 「思い出して、我慢できなくて、会社のトイレでしたんじゃないの?」
   「なっ! そんなことしません。するわけないでしょ!」
 「そうなの? 全然平気だったわけ?」
 「へぇ~。そうなんだ。まぁ、いいや。今に俺が命令すればどこでも自分で嬲るように
なるさ。」
 「玲子は、なんでも俺の命令には従うM女になるさ。」
   「そっ、そんなことしません。出来るわないじゃない。」
 「そうかなぁ。」
彼が鼻先でせせら笑う。
 「まぁ、そう思うならさぁ試そうじゃん。」
 「明日、会おうぜ。」
   「えっ!」
 「何か大事な用事でもあるの?」
   「いきなりそんなこと言われても…。買い物に行こうかと…。」
 「いいじゃん。そんなの日曜日で。」
「お前が俺の思うような女なのか、そうでないのか試そうぜ。」
「お前はそんな女じゃないんだろ?」
   「はい…」
「じゃぁ、いいじゃん。会えるだろ?」
   「それはそうだけど…。」
「そうだけど何? それともやっぱり自分に自信がないわけ?」
「やっぱりさぁ、身体が疼いて会社でオナるような女なわけ?」
   「違います!そんなことありません。私はそんな女じゃないです。」
「じゃぁ、別に問題ないということで決まりだよね。」
「明日、会おうぜ。」
有無を言わせない言い方。私が引くに引けなくなるような話の持っていき方。
この人、私より一枚も二枚も上手。そう思わずにはいわれなかった。
全て計算づく?
「俺さぁ、蒲田に住んでいるんだけどそこまで来れる?」
「玲子の住んでる場所ってよくわかってないんだけど。」
   「蒲田に行けばいいのね。」
「そう。駅に着いたら電話してよ。」
「取り合えずさぁ、この前と同じ格好してきてよ。」
   「えっ!」
「同じ格好だよ。忘れちゃった?」
   「わっ、忘れるわけないでしょ!なんであんな格好をしていかなくちゃいけない
の!」
「そうだよね。忘れるわけないよねぇ。」
電話口で彼の笑い声が響く。
「ノーブラにTバックに生足ね。」
「覚えてるでしょ?そんな格好でこの前、会った事。」
   「……。」
「そう簡単に忘れられるわけないよね?」
「普通の女だったら、そんな格好しないしねぇ、そんな格好で濡らすわけないもんね。」
「この前は滅茶苦茶濡らしてたもんね。」
「どうしようもないくらい、ぐちゃぐちゃでさぁ。」
忘れようと必死で思っていたことが鮮やかに蘇ってくる。
忘れたかったこと、忘れられなかったこと。
彼の一言で、いとも簡単に思い出される。
この人なら…自分が変われる?変わることが出来る?
漠然と、心のどこかで堕ちたいと願っていた願望が叶えられる?
会社での自分と違う自分になれる?
「まぁ、いいや。明日、蒲田に着いたら電話してよ。」
「出来れば午前中から来いよ。」
   「行かないかもしれないわ。」
「来るよ。必ずね。」
   「……。」
「じゃぁ、また明日ね。」
その夜は眠れなかった。どうしたらいいのか…。
結論はわかっていた。ただ、自分を納得させる理由を探していた。
自分はそんなことをする女じゃない…。
私の中にいる「玲子」、彼女が勝手にやっていること。
永井玲奈には関係ないこと。
そう、私の中の「玲子」彼女がやっていること。
勝手な理由。自分でも十分にわかってる。
自ら、二重人格になろうとしている。別の自分を作り上げて。
でも、そんな愚かな理由をつけなければ踏み出せない自分。
愚かな……。
夜は明けていた。
第9話

結局、熟睡など出来ずにうつらうつらと朝を迎えた。
目覚めたのは、永井玲奈ではなく、玲子だった。
それが一晩かけて出した答えだった。
一体何を着ていこう…。何を着ていくか迷っていた。
この前と同じ格好、ノーブラにTバックに生足。これが彼の指定した格好。
パンツスーツ?それともロングのスカート?
でも同じ格好って言われた。じゃぁ、ミニスカ?
ミニスカと指示されたわけではない。しかし、本能的にミニスカでなければならない。
玲子はそう感じていた。心のどこかで気付かぬうちに、すでに彼におもね始めていた。
ノーブラにTバックに生足って言われたけど…
でも、ミニスカって指定はされなかった。迷っていた。
しかし、指示されてもいないのにミニスカを身に付けることは完全に彼に屈したことにな
る気がして理性が許さなかった。
永井玲奈が完全に眠っていたわけではなかった。
結局、ロイヤルブルーで胸元でリボンを結ぶ形のブラウスと、膝上15cmとなる黒のキ
ュロットを選んだ。
リボンは大きくなるように結べば、胸の突起部が隠れるようになる。
キュロットは巻きスカートのような感じになっていて、前から見ればキュロットだという
ことはわからない。一見、ミニスカに見えてしまうものであった。
これならミニスカに見えて、彼も気分を害することはないだろう。
会って間もないし、これで十分通用する。
万が一、彼が気分を害しても膝上15cmならなんとか言い逃れが出来る筈、その時はそ
う思った。
そのことが自分の考えの甘さと、彼に対する認識を大きく変えることになった。
しかし、その時には知る由もなかった。
彼の指示通り、ノーブラにTバックに生足で自宅を出た。
自宅を出る前、何度も鏡の前に立ち、ノーブラであることが他人にわからないか確認した。
自宅を9時半に出た。
京浜東北線に乗り込み蒲田を目指す。
車内は空いていた。もちろん座席に余裕もあったが、座らずドアにもたれ掛かった。
窓の景色を眺めながら、思いを巡らしていた。
これから何が起こるのか。どうなるのか。
誰かにノーブラがわかってしまうのでは?
こんな格好をしている自分が恥ずかしい。
不安と期待が入り混じり落ち着かなかった。
けれど、自分の身体はそんな思いとは裏腹に潤み始めていた。
どうして? 何故?
こんなに不安な気持ちでいるのに、自分の身体は気持ちを裏切り始めている。
怖かった。そんな気持ちのまま、電車は蒲田に着いた。
蒲田に降り立つのは初めてだった。ホームでは蒲田行進曲が流れていた。
蒲田だから蒲田行進曲? お決まりすぎて思わず笑いが込み上げてくる。
その気持ちとは逆に、一方では緊張感が走る。
とうとう蒲田まで来てしまった。
階段を登り公衆電話を探す。
階段を登り終えた改札の手前に公衆電話があった。
メモ書きをした紙を見ながらプッシュホンを押す。
受話器を握り、耳にあてる。発信音が聞こえる。トゥルルゥ…
 「はい。」
 「もしもし、玲子?」
  「……はい……。」
 「今、どこ?」
  「蒲田の駅からです。今、改札の前にいるんです。」
 「そうなの。じゃぁさぁ、改札の前で待っててよ。」
 「今から迎えに行くから。」
  「はぃ…。」
改札を抜け、彼を待つ。
 落ち着くのよ。彼が来るまでに時間があるわ。
出掛ける前に何度も確認したけど、もう一度チェックしなくちゃ。
 身元がわかるようなものは何も持ってこなかったわよね?
 バッグを開いて、もう一度確認する。お財布の中も大丈夫。
 カードも何も持っていない。大丈夫よ。
私が永井玲奈だという身元を保証するものは何もない。
 「よぉ!」
彼が手をあげ、近づいてくる。
無遠慮に、ジロジロと私を頭から足元まで眺める。
 「待たせて悪いな。」
 「言われた通りの格好をしてきたみたいじゃん。」
 「リボンが大きすぎて、残念ながら立ってる乳首がわかんないけど。」
彼は口元に笑みを浮かべた。
最初の出会いのときと同じように、彼はごく自然に私の右手を握って歩き始めた。
私は彼に従った。
駅前の商店街を歩いていく。ごく普通に彼は商店街の説明をしながら私を導く。
彼の説明を聞きながら、私は初めての町を眺めていた。
これから起こるであろう出来事に高鳴った心臓を抑えるために、必死で自分を落ちつかせ
ようとしていた。
途中、商店街の中にある酒店に立ち寄った。
 「おまえさぁ、ワイン飲む?」
  「飲むけど…。」
 「何がいい? 赤? 白?」
  「出来れば白がいい。甘口よりも辛口のシャブリが好きだけど。」
 「おっ!気が合うじゃん。俺も白の辛口が好きなんだよ。」
 「じゃぁ、シャブリにしようぜ。」
彼は冷蔵ショーケースから冷えたシャブリを選び取り出した。
支払いを済ませ、再び歩き出した。彼の部屋は、踏み切りを越えて直ぐだった。
ドアを開け、私に中に入るように勧めた。
彼に促され、部屋に入る。玄関を入ると直ぐにキッチン。その奥に彼の部屋があった。
開け放たれたカーテン。窓からは線路、距離をおいて古ぼけたアパート、建設中のマンシ
ョンが見えた。
タバコの匂い。それが部屋に入った時の第一印象だった。
私の背後から彼の声が飛ぶ。
 「なんだよぉ!ミニスカじゃないじゃん!マジかよ。」
  「えっ!」
 「なんだよ。これじゃぁ、詐欺じゃん!」
 「俺さぁ、この前と同じ格好って言ったじゃん。」
 「それがなんでキュロットなんだよ! ムカツクなぁ!」
  「あっ。ごめんなさい。」
  「ミニスカって具体的に言われたわけじゃなかったから。」
  「でも、キュロットでもかなり短めだし、一見ミニスカに見えるからいいと思ったの。」
もしや…そう思っていたことが実現となった。
やっぱりミニスカにすれば…一瞬の戸惑いが心を過ぎる。
 「おまえさぁ、ミニスカじゃなきゃマズイかもってわかってたんだよなぁ?」
  「えっ?」
 「わかっていながら、ミニスカを穿いてこなかったんだよなぁ?」
  「えっ……あっ…あの…そういうわけじゃ…」
 「わかってたんだよなぁ?」
  「あっ…あぁ…っ。ごめんなさい。」
 「わかっていてミニスカ穿いてこなかったんだよね
 「まぁ、最初が肝心だからな。二度とそんな反抗的なことをしないようにしないとね。」
  「えっ?? どういうこと?」
 「お仕置きだよ。」
  「ぇ…えっ?」
 「そのさぁ、目障りなキュロット脱げよ!」
第10話

「聞こえなかった?」
「脱げ!っていったんだけど?」
 「あっ…あのぉ…」
「早く脱げよ。」
「脱ぐ気がないなら帰れよ!」
「おまえが帰ったところで、俺は全然構わないけど。」
「二度と電話もかけてくるなよ。俺の命令を聞けない奴隷に用はない。」
「今日はお前は淫乱なマゾ奴隷だってことを十分自覚させてやるよ。」
彼は冷たく言い放つ。いきなりの言葉に頭から水を浴びせられたようなショックを受けた。
私が…私が奴隷??この私が奴隷なの?
予想だにしていなかった言葉だった。頭の中で何かが弾けた。
今まで、そんな言葉を私に浴びせた人なんかいない。
とっさに何を言われたのか理解できなかった。
信じられない…
プライドが崩れ始めていた。
気持ちとは裏腹に、身体は彼に従い始めていた。ゆっくりと、彼の命令を実行に移そうと
していた。
今なら…今なら引き返せる。
わかっていた。頭の中では十分わかっていた。
けれど…けれど…帰ることなど出来なかった。
既に私は玲奈でなく、もう一人の私、玲子だった。
彼の奴隷と言う言葉が、玲子には甘美な誘惑だった。
彼の命令に従うことを玲子は選んだ。
選ぶというより、既に彼の言葉に逆らうことが出来なかった。
震える両手でファスナーを下げる。ゆっくりとキュロットを足元から脱いだ。
黒の総レースのTバックを身につけただけの下半身が現れる。
キュロットをたたんで、床に置く。
その様子を彼は無言でベットに腰掛け、眺めていた。
私は、恥ずかしさで露になった下半身を少しでも手で覆い隠そうとした。
身体が熱く火照り、赤味を帯びているだろうことが自分にもわかった。
「後ろを向いて、俺の前に立てよ。」
 「えっ?」
「早くしろよ!」
 「はっ、はい。」
恥ずかしさが込み上げてくる中、のろのろと彼に背を向けて立つ。
「ケツを突き出せよ!」
 「えっ!」
「聞こえない?」
「ケツを俺に突き出せ!って言ったの。はやくしろっ!」
 「えっ…あっ…あのぉ…」
ビッシッ!お尻に熱い痛みが走る。
 「きゃぁあああああああ!」
「なにトロトロやってんだよ!」
「突き出せってって言われたら、早く突き出せよ!」
 「あっ…ぁっ…。はぃ…。」
恥ずかしさに耐えながら、おそるおそる、少しだけ彼にお尻を突き出す。
身体に震えが走る。
「足を開けよ!」
 「えっ?」
「ケツを突き出したまま、足を開けって言ってるんだ。」
「俺の言ってることがわからない?」
 「ぃっ…いぃぇ。わかります。」
「わかるんなら、言われたとおりにしろよ。」
震えながらゆっくりと、少しずつ足を開いていく。
緊張のあまり、つま先に、お尻に力が入る。
「ちゃんとしっかり開けよ!」
足の間に出来た隙間に、彼の手が差し込まれる。
太腿を掴まれ、無理やり足を開かされる。
腰をつかまれ後ろに引きずられた。身体がよろける。
「ほらぁ!こういうふうに足を開いてケツを突き出すんだよ!」
「淫乱な雌犬にはお似合いの格好だろ?」
「今にさぁ、よがり始めてケツを突き出したまま、俺の前で腰をくねらせるんだよ。」
Tバック1枚の下半身を彼の目の前に曝け出す格好となった。
恥ずかしさで、このまま消えてしまいたい感情に駆られる。
彼の手が、ゆっくりと下半身の大事な部分に伸びてくる。
彼はTバックに手をかける。ゆっくりと股布の部分を撫で上げる。
「あれぇ?なんかさぁ、パンティ湿ってるぜ?」
「どうしたのかなぁ?玲子ちゃん。」
「なんでこんなに湿ってるのかなぁ??」
さっきとは打って変わって、やさしく、わざとおどけた調子で言葉を掛ける。
「きゃぁああああああ!ひっ、ひぃぃぃいいいいいい!」
彼がいきなり両手でTバックを引き上げた。Tバックの股布部分が、敏感な部分に食い込
む。
「なにかなぁ?そんな声出しちゃってさぁ。どうしたのかなぁ、玲子ちゃん?」
彼はニヤニヤしながら、両手でTバック引き上げたり、緩めたりを繰り返し、敏感な部分
に食い込ませることを続ける。
更に指で、Tバックの上から秘唇をなぞる。
 「あっ…あぁん!」
「どうしたの?甘い声なんか出しちゃってさぁ?」
「もしかしてさぁ、こんなことされて感じちゃうわけ?」
「そんなわけないよねぇ?」
「こんな恥ずかしいことされてさぁ、感じたりなんかしないよねぇ?」
言葉で嬲りながら、彼の手は更に激しく秘唇を嬲り続ける。
しつこすぎる責めに、私の身体は快感に身を任せ始めていた。
やがて彼の手は、Tバックの隙間を割って入り、蜜壷へと延びた。
蜜壷の中で、自由自在に指でかき回す。
耳元での言葉嬲りは、更に激しさを増す。
 「あぁぁ…あはぁん…あっ…。」
「どうした?あぁん?」
「そろそろ、ちん○が欲しくなってきたんじゃないの?腰がくねってるぜ。」
「おま○こはグチャグチャだしよぉ。」
「ほぉらぁ、聞こえるだろ?ま○汁の音が?」
「まったく淫乱な身体だよなぁ。」
「会って2回目の男の前で足を広げてケツを突き出してさぁ、腰をくねらせてるんだぜ。」
「まとまな女のやることじゃないよなぁ?」
静まり返った部屋にびちゃびちゃという音が響く。
わざと音が出るように彼は蜜壷をかき回す。
「ほらぁ、ちん○欲しいんだろ?」
「欲しいって言えよ。」

第11話

彼は花芯に指を伸ばす。そして更に激しく指で嬲る。
快感に身体が震え、足の指先にまで力が入る。身体は快感を拒否できなかった。
  「イキそう…・。はぁ…。」
彼の指の動きが止まる。
  「あっ、後もう少しでイケたのに…・。お願いです。」
「駄目だね。そう簡単にイカせてなんかやらないね。」
「イカせてほしかったら、奴隷の挨拶をしなくちゃねぇ。」
「ほらぁ、イカせてください。お願いしますって言えよ!」
彼の指は再び動き始める。
親指と人差し指で、花芯をゆっくり抓む。やわらかく、リズミカルに。
既に愛液で十分潤っているため、指は滑らかに滑る。
  「あっぅぅぅぅ…」
「言わなきゃ、このままだぜ。」
  「えっ?」
彼の指は再び動きを止める。
「イカせてもらえないまま、生殺しの状態が続くんだよ。」
  「えっ? このまま…このままの状態が続くの??」
「そうだよ。」
「このまま、イケない状態で何時間でも過ごすんだよ。」
  「嫌! あっ…もう駄目ですぅ。我慢できません」
「抵抗すればするほど、恥かしい言葉を言わせてやるぜ。」
  「嫌ぁ!!もうこれ以上辱めないでぇぇぇぇえええ」
「イキたいんだろ?」
  「おっ…お願いです!イカせて下さい。」
彼が耳元で囁く。囁きながら、再度、花芯を嬲り始める。
「イキたいんだろ?ちん○欲しいんだろ?」
「なら、さっき教えた言葉を言えよ。」
「言わなきゃ、このままだぜ。ここ、グチャグチャだもんね。」
「あっ…はぁ…」
「言えば楽になれるぜ!天国に行けちゃうよ。」
  「あはぁん…ぅぅぅぅ…。」
「ほらぁ、俺の言う通りに言えよ。」
「玲子は、ちん○大好きな女です。おま○こに、ちん○を嵌めてもらうためなら
なんでもする淫乱な女です。お願いですからイカせて下さい。」
「ほら、言ってみな。」
「これで言えなきゃ、今度はもっと恥かしい言葉にするぜ!」
「早く言った方が楽だよ。」
既に身体は限界だった。快感に逆らうことなど、できようもなかった。玲子が囁く。
今の貴女は玲奈ではなく、玲子なの。別人の玲子なの。快感に身を委ねてもいいのよ。
玲子なんだから…。もう一人の自分が囁きに従うしかなかった。
限界だった。
  「あっ、はぁ…。れっ、れいこはぁ…・あっ、ちん○大好きな女ですぅ。」
  「おっ…おっ…おま○こに、ちん○を嵌めてもらえるならぁ…ぁ
   なんでも、なんでもぉしますからぁ、あぅぁぅっ…お願いですから、
   お願いですからぁイカせてくださいぃぃぃぃ…。」
「はい。よく言えました。」
彼はニヤニヤ笑いながら、指についた私の愛液を私の太腿になすりつける。
「ほんと淫乱だよね。恥ずかしげもなく、こんな言葉を言っちゃうんだもんね。」
「イヤラシイ女だぜ。」
「おま○こはこんなにドロドロにしちゃうし。」
「ほらぁ、太腿がベタベタだろぉ?」
「全部、おまえのま○汁だぜぇ。」
「ふふふっ。今に、本当にちん○を嵌めてもらえるなら、なんでもする女にしてやるよ。」
「さてとぉ、そろそろイカせてやるか。」
恥かしさで、逃げ出したくなる。こんな言葉など生まれて初めて口にした。
自分の口から具体的な部分を示す言葉など、人前で口になどしたことはなかった。
逃げ出したい。でも、それ以上に身体は快感を更に追い求めている。
自分の身体が、変わっていくことが信じられなかった。
どうして? 何故?
彼の責めは容赦なく続く。更に激しく花芯を嬲る。指で花芯を執拗に捏ねくりまわす。
彼の責めに、何も考えられなくなる。思考は止まり、身体は素直に快感に身を任せていっ
た。
  「あっ…はぁ…っ、イクゥ…イキますぅぅぅぅぅううう。」
「イケよ。」
  「だっ、だめぇぇーーーー!イキますぅ。ううっ。」
  「いやぁ……・っ。」
私は達してしまった。立っていた身体は崩れ、前のめりにしゃがみこんでしまった。
肩で息をする。
  「はぁ、はぁ、はぁ…」
息が荒い。休息を得ようとしゃがみこんでいた背中に痛みが走る。続いてお尻に。
  「あっ、はぁん!あっ…痛い!」
「なに休んでるんだよ。立てよ。」
  「えっ?」
「俺の許可なく休んでるんじゃねぇよ。」
  「あっ。すっ、すいません。」
慌てて立ち上がろうとするが、身体は思うように動かない。
よろよろとよろけながらやっと立つ。肩で息をする。
  「はぁ…はぁ…」
「お前さぁ、今。叩かれて感じたんじゃないの?」
彼は私の顔を覗き込みながら、意地悪い言葉を投げつける。
「叩かれたのに、あんな艶のある声なんか出しちゃってさぁ。」
「お前。やっぱりマゾじゃん。」
「叩かれて、普通あんな声出す奴いないぜ?」
  「ちっ、違います!」
  「感じてなんかいません。」
「へへへっ。お前は間違いなく、正真正銘のマゾ女みたいだな。」
「これからいろいろと調教してやるよ。楽しみだぜ。」
「今にさぁ、叩かれただけでイクようになるぜ。ハハハッ。」
嘘! 私が…そんな筈ない。否定している自分がいる。
 

第12話

そんな馬鹿な! そんな筈、ない!
否定する自分…。でもどこかで否定しきれないでいる自分もいた。
否定しきれない…そんな自分に気がつかない振りをする。
必死で冷静さを保とうとする。
そんな私に彼は追い討ちの言葉を掛ける。
「まぁ、今にわかることだよ。俺の前に跪け。」
  「はっ…はい。」
「俺にKISSしろよ。」
 「はぃ?」
「KISSするんだよ。」
  「あっ・・はい。」
彼の命令どおり、跪いた姿勢から背を伸ばし、彼の口元に顔を近づける。
身体に震えが走る。
彼は一部始終をニヤついた顔つきで見守る。
顔を近づけながらも唇を重ねることが出来ず、ためらう。
「早くKISSしろよ!」
  「はぃ…。」
勇気を振り絞って唇を重ね合わせる。
彼の腕に身体を引き寄せられる。
閉じたままの唇を、彼は舌先で抉じ開けてくる。
彼は舌先を挿しいれて"

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アナル・SM・アブノーマル | 【2020-05-14(Thu) 12:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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