2ntブログ

( ^ω^)とξ゚?゚)ξが愛のあるセクロスをするようです。

付き合い始めて1ヶ月後。
お互い初めて入ったラブホテルでは、ベッドでいちゃいちゃして、何もせずに朝を迎えた。

チュンチュン

ξ-?-)ξ「ん・・・ブーンおはよ・・・」

( -ω-)「おはだお・・・。結局何もしなかったお。残念だお」

ξ-?-)ξ「童貞のクセに偉そうなこと言うんじゃないわよ」

それから1週間後、2回目のラブホテルでは、ブーンたっての希望により、ツンは手でブーンの性器をしごいた。

(*^ω^)「ツン・・・もっと触って欲しいお」

ξ///)ξ「・・・・・・・っっ」

(*^ω^)「うはwwwwテラキモチヨスwwwwwww」

この日、ツンは初めて男性の精液に触れた。

そしてそれから更に10日後、
同じラブホテルで、二人は身も心も結ばれた―。

二人が出会ったのは、ブーンが高校2年生、ツンが高校1年生のこと。
VIP高校に入学したツンは、自ら生徒会役員になりたいと、生徒会顧問に申し出た。

ξ゚?゚)ξ「先生、私、生徒会に入りたいんですけど」

( ´_ゝ`)「なかなか入りたい人がいないから助かるよ。
     じゃあ、今はとりあえずお手伝いということで参加してもらおうか。
     後期になったら正式に入ってもらうよ」

ξ゚?゚)ξ「ありがとうございます。基本的にいつ活動するんですか?」

( ´_ゝ`)「体育祭とか文化祭とか、生徒総会の前に集まるくらいかな。
      早速今日の放課後に集まりがあるから、一応来て。
      場所は生徒会室じゃなく、3年1組の教室ね」

ξ゚?゚)ξ「わかりました」

別にリーダー的存在だったわけでも、とりたてて頭が良かったわけでもない。
正義感が人一倍強いわけでもないし、優等生と言われた事もない。
勿論、生徒会役員になった経験も一度もない。
ただツンは、何もせずに高校生活を送りたくないだけだった。

ξ゚?゚)ξ(高校に入ったらバイトしたいたから、部活には入りたくないしなぁ)

しかしそれでは学校にいる間はただ授業を受けているだけになってしまう。
それは嫌だった。
部活ではなく、自分の都合で気軽に参加できる何かを考えた時、真っ先に生徒会が頭に浮んだ。

VIP高校に入った中学の時の先輩に聞いたところ、この高校の生徒会は行事の前に集まるくらいで、
他に何か特別な活動をしているわけではないとの事だった。

(*゚ー゚)「私も1年の後期から2年の前期にかけて生徒会に入ってたけど、すごく楽だったよw
    就職活動の時も履歴書に生徒会役員だったこと書けるから、ちょっと得できるみたいだし」

これが決め手で、ツンは生徒会役員になろうと決めたのであった。
後期まで待とうか、とも思ったが、とりあえず顧問に生徒会役員になりたい旨を伝えて、
やる気があると思わせて点数アップにつなげようと思ったのだ。

ξ゚?゚)ξ(まさか前期からやるはめになるなんて、面倒くさいなぁ。
     でもまいっか。とりあえず株が上がれば
     それに、早めに参加してた方が、その分早くかわれるかも―)

【2年1組】

( ^ω^)「ドクオ、何読んでるお?」

('A`)「電撃ヂーヅマガジン。今日発売だった」

( ^ω^)「シスタープリンプリンかお?」

('A`)「咲代萌え。ツインテールがたまらん」

( ^ω^)「ちょwwwそういえば今日生徒会の集まりあるお」

('A`)「マンドクセ。今日何すんの」

( ^ω^)「新学期だからとりあえず集まるみたいだお。どうせすぐ終わるお」

('A`)「早く帰ってシスプリやりてぇ」

キーンコーンカーンコーン♪
放課後―。

ξ゚?゚)ξ(3年1組・・・ここね。なんか入るのに勇気がいるな・・・)
      それにしてもにぎやかね・・・)

廊下に響く話し声を聞きながら、とりあえず教室の外で顧問が来るのを待つことにした。
その時、

( ^ω^)「帰りカラオケ行かないかお?」

('A`)「まだシスプリの歌入ってないんだよな。まぁいいか。」

仲良さそうに話をしている男子生徒二人組が、ツンの前を通った。

ξ゚?゚)ξ(この人たちも生徒会かな・・・?)

ツンは二人の様子を目で追った。

その時、

( ^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「・・・!」

ξ///)ξ(やだ・・・見てるのバレちゃった・・・)

( ^ω^)(1年生かお?制服が新しいお。3年の教室に何か用かお?)

ガラガラガラ

('A`)「うーす」

ドクオが教室に入り、ブーンも後に続いた。
ツンは再び廊下に一人取り残された。

ξ-?-)ξ(はぁ・・・せんせぇまだかな。)

( ´_ゝ`)「あれ、ツンさん中に入らないの?」

流石がやってきてツンに声をかけた。
少し厚手の薄い灰色のYシャツからは、タバコの匂いがした。

ξ゚?゚)ξ「あっ・・・先生。はい、ちょっと一人だと入りづらくて」

( ´_ゝ`)「じゃあ後ろから入って適当に座って。最後に紹介するから」

ξ゚?゚)ξ「はい」

ガラガラ

( ´_ゝ`)「はいお前ら席につけー」

ガラガラ・・・

ξ゚?゚)ξ(失礼しまーす・・・)

ツンは静かに後ろのドアから教室に入った。
その時、教室にいた生徒たちが一斉にツンの方を見た。

( ^ω^)(お?あのコ、生徒会に用かお?)

( ´_ゝ`)「はいそれじゃ始めるよー」

流石のその一言で、生徒たちは視線を教卓へ向けた。

( ´_ゝ`)「みなさん、今期も頑張って下さい。終わり」

( ^ω^)「ちょwwwwそれだけかおwwww集まる必要ないおwwwww」

( ´_ゝ`)「そして、みなさんに紹介します。
     新入生のツンさんです。生徒会に入りたいという珍しい生徒です」

生徒たちの視線がまたツンに集中する。
ツンは慌てて立ち上がった。

ξ///)ξ「あ・・・よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「とりあえず前期はお手伝いということで来てもらって
     後期に正式に入ってもらうことにしたから。
     じゃあ今日は終わりー。」

(o゚ω゚o)「帰り本屋寄ってかね?」
(●∀●)「わかった。じゃあなみんなー」

( ^ω^)「ばいぶー」

('A`)「なぁ流石ー、こみパ早く返して」

( ´_ゝ`)「いや、まだ千花とヤってない。
     つーかぶっちゃけFF4やってるからPCは起動すらしてない」

('A`)「FF4?コレクションの方?」

( ´_ゝ`)「そう。子供リヂアにマテオ覚えさせたいから」

( ^ω^)「FFってパンジーステイオンラインかお?」

('A`)「違う。それはPSO、俺がやってるオンラインゲーム。
   FFはファインアナル・ファンタジア」

( ^ω^)「聞いたことあるお」

ξ゚?゚)ξ「あ、あの・・・・」

( ^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「あ、先生・・・今日は帰ります。ありがとうございました」

( ´_ゝ`)「ああ、これからよろしく。ほら、お前らも挨拶して」

('A`)「うい」

( ^ω^)「よろしくだおー」

ξ///)ξ「あ・・・よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「次は体育祭の前だから、集まるのは6月のはじめ頃かな」

ξ///)ξ「はい・・・ではさようなら」

ツンはそそくさと教室を出て、帰路についた。

ξ゚?゚)ξ(あーすっごく緊張したー。次集まるのは6月か。1ヶ月以上ある・・・。
      本当に私が想像してた生徒会と正反対だな。
      先生とあの人たち、ゲーム?の話してたし、先生のこと名前で呼び捨てしてたし・・・)

あれが俗に言うおたくなのかな、と思った。

( ^ω^)「夏服になったばっかなのにまだ肌寒いお」

('A`)「今日集まりだっけ、マンドクセ」

( ^ω^)「そうだお。生徒会室に行くお」

(o゚ω゚o)「ブーン、ドクオー。生徒会室行くんだろ?」
(●∀●)「鍵借りてきたよ」

( ^ω^)「ありがとうだお」

体育祭はあと半月に迫っていた。
それでも緊張感がないのは、生徒会が決めることといえば、
競技中に流すテーマ曲を選ぶことくらいだからだ。
競技内容などは全て職員会議で決める。

(●∀●)「今日、あの1年生のコ来るのかな?」

( ^ω^)「あー、そういえば。来るんじゃないかお?」

(o゚ω゚o)「ツンさんだっけ?可愛かったよね」
(●∀●)「一目惚れか?」
(o゚ω゚o)「そんなんじゃないけどさー」

( ^ω^)「・・・・・・」

('A`)「ツインテール萌えるよな」

4人は生徒会室の鍵を空けた。
この部屋に最後に入るのは1年の終了式の日以来だから、実に3ヶ月弱ぶりだった。
3ヶ月も締め切っていた部屋は、なんともいえないすえた匂いに包まれていた。、
4人は最初に顔を少ししかめたが、後は慣れている様子で、隅に積まれてある長机を組み立て、椅子を設置し、窓を開けた。

('A`)「俺、ちょっとションベン。ブーンも行く?」

( ^ω^)「俺はいいお」

(o゚ω゚o)「あ、俺ボカリ買ってくる。この後部活なんだ」
(●∀●)「俺も」

( ^ω^)「・・・・・・」

ブーンは生徒会室に一人取り残された。
ふと目をやると、机にドクオのものと思わしき雑誌が放置されていた。
表紙にはウサギの耳のついた可愛い女の子の絵が描かれており、
上部に「パソコン楽園」と大きく書かれてあった。
ブーンは何気なくパソ楽のページを開いた。

(*^ω^)「ちょwwwこれエロいゲームの雑誌かおwwww」

(*^ω^)「・・・・・キャノンって、ドクオの部屋に貼ってあるポスターのやつかお?
      目でけぇwwwwwなんか鯛焼き食いたくなってきたおwwwwww」

フェラ、手コキ、足コキ、中出し、羞恥プレイ、スカトロ、獣耳、触手、強姦、痴漢・・・。
ありとあらゆる淫猥な言葉とともに、アニメのキャラのような女の子が性行為をしているイラストで埋め尽くされている。
ブーンはつい我を忘れて読みふけっていた。

コンコン

(;^ω^)!! ビクッ!!!!

生徒会室のドアをノックする音で、ブーンは現実の世界へ引き戻された。

(;^ω^)「は、はいだお。開いてるおー」

ξ゚?゚)ξ「し、失礼します・・・」

ドアがそっと開き、ツンが顔を覗かせた。

(;^ω^)(あ、このコは・・・)

ξ゚?゚)ξ「あの・・・今日生徒会あるって聞いて・・・」

( ^ω^)「あるお。まぁ適当に座るお」

ξ゚?゚)ξ「あ・・・はい・・・」

とりあえずツンは一番近くの椅子に座ろうとした。

( ^ω^)「ちょwww遠いおwwwwこの辺に座るといいおwww」

ξ///)ξ「はっ、はい・・・」

ツンが素直にブーンが指差すあたりに座ると、ちょうどブーンと向かい合う形になった。
ツンは人見知りが激しかった。
女同士でも打ち解けるのに時間を要するくらいだから、
男性とは、目を合わせるだけで顔が真っ赤になるほどだった。

( ^ω^)(緊張してるのかお?)

うつむいて黙ったままのツンを見て、ブーン自身も緊張を禁じえなかった。
パソ楽を見て半勃ちだった男性器もすっかりしぼんでいた。

(;^ω^)(ドクオまだかお・・・)

こんなにもドクオを求めたことなんて今まであっただろうか。
ただただドクオの帰りを待ちわびるブーンだったが、ふとツンの視線に気が付いた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・」

どこを見ているのか。どうやら自分の顔ではないようだけど・・・。

( ^ω^)「どうしたお?」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・えっ?あっ、いえ、その・・・」

ξ///)ξ「携帯・・・・一緒だから・・・・」

( ^ω^)「携帯?」

裏返しにされたパソ楽の隣に、ブーンの携帯電話が置いてあった。
どうやらツンは同じ機種の携帯を持っているらしかった。

( ^ω^)「これは俺の携帯だお。機種が一緒かお?」

ξ///)ξ「は・・・・はい・・・・色は違うんですけど・・・」

ツンは膝の上に乗せていたバッグから、携帯を取り出して見せた。

( ^ω^)「やっぱり女の子はピンクだお。俺のはシルバーだお」

ξ///)ξ「別にピンクが好きなわけじゃなくて・・・他にいい色がなかったから」

( ^ω^)「携帯はピンクで顔は真っ赤だおwwwwwwwww」

ξ///)ξ「・・・・・・っっ」

それは不快感ではなく、心地良いくすぐったさだった。

( ^ω^)「良かったらメルアド教えてくれないかお?生徒会同士の連絡とかもあるし」

ブーンはツンの返事を聞く前に、自分の携帯にメールアドレスを表示させてツンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「あ、はい・・・。じゃあ、メール送りますね」

ツンはそのメールアドレスを打ち込み、空メールを送った。

( ^ω^)「うはwwwwktkrwwwwww」

ブーンは『ツン』と打ち込み、メールアドレスを電話帳に登録した。

ξ*゚?゚)ξ「あ、あの・・・」

( ^ω^)「なんだお?」

ξ///)ξ「・・・・・・名前・・・・」

(;^ω^)「あ、そうだったおwwww内藤ホライゾンだおwwwww
      ブーンって呼んでくれお」

ξ゚?゚)ξ「ないとう・・・・ほらいぞん・・・・」

( ^ω^)「ツンさんのことはツンさんでいいかお?」

ξ゚?゚)ξ「はい。ところで内藤さんは・・・」

(;^ω^)「ちょwwwwブーンでいいおwwwww」

ガラッ

('A`)「ういー。でっけーうんこが出・・・」

(;^ω^)「あ・・・・」

(*'A`*)「あっ―」

ξ///)ξ「・・・・・っっ」

('A`)「・・・・・・・今日のうんこすげーキレが良かった。ティッシュいらなかった。
    毎日あんなうんこが出ればいいのに。なぁブーン」

(;^ω^)「ちょwwwwww」

ツンは顔を真っ赤にしてうつむいていた。
それから他の役員が続々と集まり、話し合いは進んでいったが、
ツンの視線はブーンに向けられることはなく、話し合いが終わると同時にツンは逃げるように帰っていった。
その様子を、ブーンは寂しげに目で追った。

(o゚ω゚o)「じゃあ俺ら帰るな。ブーン、鍵よろしくー」

( ^ω^)「おk」

('A`)「まだ5時半かよー。終わるのはええよ。俺ら意味あんの?」

( ^ω^)「ドクオ…ツンさん恥ずかしがってたお。女の子の前でうんこの話はやめるお」

('A`)「あ?別にいいじゃねえか。照れてるツインテール萌え。
   それにツンさんだってうんこするっつーの」

(;^ω^)「ちょ・・・」

('A`)「ところで二人っきりだったのか?ヤった?」

(;^ω^)「ヤるわけないおwwwwメルアドは聞いたお」

('A`)「マジでか。おせーて」

(;^ω^)「いやだおwwww自分で聞くおwwwwww」

('A`)「ケツ貸すから」

(;^ω^)「いらないお・・・・」

それ以上の会話がされることはなかった。
ドクオがパソ楽をリュックにしまうと、二人は生徒会室を出て、鍵を閉めた。

ξ゚?゚)ξ「内藤ー。CDありがとー」

( ^ω^)「もういいかお?」

ξ゚?゚)ξ「うん、MDに落としたから」

二人が仲良くなるのには少し時間がかかった。
ブーンは人見知りの激しいツンの心を溶かすのに苦労をした。
毎日メールを送り、校内で会えば必ず挨拶をした。
最初は話し掛けるたびに顔を真っ赤にしていたツンも、回数を重ねるごとに自然に接することができるようになった。
そして、ツンがブーンのことを「内藤さん」から「内藤」へ、
ブーンがツンのことを「ツンさん」から「ツン」へ呼び方を変える頃には、木の葉が風に舞い散り、北風が吹き始めていた。
その頃にはツンは正式な生徒会役員になり、そして自然な笑顔でブーンと話せるようになり、ブーンの友達とも仲良くなっていった。
それでも、ブーン以外の男子と話すときはぎこちなさは抜けなかったが・・・。

ツンは、夏休みからファミレスでアルバイトを始めていた。
ブーンも、1年生の頃に始めたスーパーでのアルバイトを続けていた。
それなりに忙しくはあったが、予定があえば二人で遊んだりもした。バイトのない放課後は二人でカラオケに行く事も多かった。
テスト期間中は図書室で勉強したりもした。

二人は、よく「付き合ってるの?」と聞かれた。その度にツンは強く否定をし、ブーンは笑いながら軽く流してきた。
もちろん付き合っているというわけではなく、純粋に「いいお友達」同士の関係が続いた。
しかし、ツンが時折見せるどこか寂しげな表情を、ブーンは見逃す事がなかった。
気になって話し掛けようとするとツンがすぐに元通りの笑顔に戻るので、いつまでも核心に迫ることはなかった。

お互い異性として特に気にすることもなく楽しく過ごしてきたが、
その関係は、ブーンが高校3年 ツンが高校2年の2学期の中頃で一度途絶えた。

( ゚∀゚)「ツンのことが好きなんだ。付き合って欲しい。」

ξ;゚?゚)ξ「!!!?」

ツンは高校2年生になり、季節はすっかり秋へかわっていた。
同じ生徒会役員で1学年上のジョルジュの突然の告白に、ツンは戸惑った。
いや、実はジョルジュの気持ちなんとなく察してはいたのだ。ブーンと遊びに行く時も隙あらばついてきたし、
送ってくるメールの内容からも容易に読み取ることができたのだ。

ξ///)ξ「あ・・・・あの・・・・」

( ゚∀゚)「まぁ、考えておいてよ」

学校の裏に一人取り残されたツンは、真っ赤に色付いたナナカマドの木の下で身動きがとれないでいた。
脱力感がツンを襲う。

('A`)「ブーン帰ろうぜ。ゲーセンでギルティゴルァやりてぇ」

(;^ω^)「きょ、今日はちょっと用事があるお。また今度行くお」

('A`)「ツンと遊ぶのか?」

(;^ω^)「今日は違うお。ツンはバイトだお」

('A`)「ツンにさー、また俺んちでPSOやろうぜって伝えといて。
   あいつにメッセージ打ってもらうとネカマって事バレないんだよね。
   じゃー俺帰るわ。またな」

( ^ω^)「わかったお。ばいぶー」

ブーンは3年の夏休みいっぱいでアルバイトを辞めていた。
2学期から、就職活動に本腰を入れようと思ったからだ。
ドクオは相変わらずゲームばかりしていたが・・・。

ガラガラッ
その時、教室のドアが開いた。

( ゚∀゚)「お、ブーン」

(;^ω^)「おっ、ジョルジュ・・・」

( ゚∀゚)「今、伝えてきた」

(;^ω^)「そ、そうかお・・・。どうだったお?」

( ゚∀゚)「とりあえず返事待ちってとこ」

( ^ω^)「そうかお。いい返事がもらえるといいお」

( ゚∀゚)「なあブーン、お前本当にツンのことなんとも思ってないんだよな?」

(;^ω^)「何度も同じこと聞くなお、なんとも思ってないお」

( ゚∀゚)「すまん、どうしても気になっちまって。
     本当に応援してくれるんだよな?」

( ^ω^)「もちろんだお、二人がうまくいくように手伝うお」

( ゚∀゚)「サンキュー」

ぴぴるぴるぴぴ~♪

( ^ω^)「お、メールだお」

『from:ツン
件名:
本文:今日9時半に迎えよろしく』

(;^ω^)(ツン・・・)

「迎え」というのは、ツンがバイトが終わる頃にツンのバイト先で合流することで、
よく、その後にご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりしていた。

『to:ツン
件名:おkwwwwww
本文:ついでにこの前借りたCDも返すお』

( ^ω^)(送信・・・と)

ジョルジュとツンが付き合うことになれば、こうして二人で会うことはできなくなる。
それはすごく寂しかったが、二人の仲を応援すると決めたブーンは、寂しさを胸にしまうことにした。

この街は人口が20万人ほどで、特に何か有名な名物があるわけでもなく、
郊外型に栄えた中途半端な土地だった。
夜8時ともなれば駅前でも人気がまばらになり、ほとんどの店は9時で閉店する。
新しく進出してきたファミレスは深夜2時まで営業している所もあったが、
ツンがバイトしている駅前のファミレスはどちらかといえば中堅の店舗で、まだ経営方針が古く、夜9時閉店の店だった。

(゚∋゚)「ツンちゃん、なんか今日元気ないね」

ξ゚?゚)ξ「えっ?そうですか・・・?」

(゚∋゚)「体には気を付けてね。今日は上がっていいよ」

ξ゚?゚)ξ「あ、ありがとうございます。お疲れ様でした」

時計を確認すると、針は9時25分をさしていた。
ツンは急いでロッカーへ向かい、ウェイトレスの制服を着替え、通用口から外へ出た。

( ^ω^)「おっ、ツンお疲れ様だお」

ξ゚?゚)ξ「ブーン、ごめん待った?」

( ^ω^)「そんなに待ってないお。どこ行くお?」

ξ゚?゚)ξ「とりあえずいつものファミレス。お腹すいちゃった」

( ^ω^)「俺もご飯食べてなかったお。ツンの奢りktkrwwww」

ξ゚?゚)ξ「ちょっと!誰も奢るなんて・・・w」

他愛もないやりとりをしながら、ブーンは心がちくりと痛むのを感じた。
二人はファミレスへ向かい、いつものように食事をした。
その間、ツンの口からジョルジュの名前が出ることはなかったが、
どこかぎこちなく笑いを作るツンの様子を、ブーンは見逃さなかった。

ξ゚?゚)ξ「はぁ~っ、すっかり寒くなったね」

( ^ω^)「もう秋も終わるお。冬がくるお」

ファミレスから出た二人は、冷え込んだ空気を感じながら夜の路地を並んで歩いていた。
不意に、刺すような北風が吹いた。

ξ゚?゚)ξ「うっ・・・さむっ」

( ^ω^)「大丈夫かお?俺のジャケット着るといいお」

ブーンは自分のジャケットを脱ぎ、ツンの肩にかけた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・ありがと。あんたは大丈夫なの?」

( ^ω^)「俺は平気だお」

遠くで、木の葉が風にカサカサと揺れる音が聞こえた。
等間隔で並ぶ街灯の間に、自動販売機の明かりが見えた。

ξ゚?゚)ξ「ブーンちょっと待ってて」

ツンは自販機に向かって走り出し、暖かいコーヒーとミルクティーを買ってブーンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「ジャケットのお礼。どっちがいい?」

( ^ω^)「ツンはコーヒー飲めないお。だからコーヒーでいいお」

ξ゚?゚)ξ「まぁ、例えあんたが紅茶を選んでも強制的にコーヒーを渡すけどね」

(;^ω^)「ちょwwwwww」

温かいコーヒーを一口飲む。甘味がほんのり口の中に広がった。
ツンはミルクティーの缶を両手で包み込むようにして口を付けた。

ξ*-?-)ξ「はぁー、あったかい」

( ^ω^)「ツン、話があるお」

ξ゚?゚)ξ「何よ?」

( ^ω^)「ジョルジュのことだお」

ツンの顔が強張る。急に険しい目つきへとかわった。

( ^ω^)「ジョルジュはいい奴だお。ツンがどういう答えを出すかは分からないけど、
     俺はうまくいくように応援するお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

( ^ω^)「ツンの人見知りもなおってきたと思うお。だからきっと大丈夫だお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・勝手なこと言わないでよ」

(;^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「勝手なこと言うなって言ってるの!
      あんたが私の何を知ってるっていうのよ!!」

(;^ω^)「・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「一体あんたはどっちの肩を持つ気なのよ?」

(;^ω^)「俺は・・・」

ふと、ジョルジュに「うまくいくように手伝う」と言ったことを思い出した。
それはツンの気持ちを無視しているのではないか?
ジョルジュのことも応援するけどツンの気持ちも大切にしたい。
そうできれば一番いいのだが、ツンにとってはそれが偽善ぶってるように見えたのだ。

ξ゚?゚)ξ「私が知らないところで勝手なことしないでよ!!」

ツンがブーンを責めたてる。
ふと、ブーンの目つきがかわった。

( ^ω^)「何が悪いんだお!!!!!!!!」

ξ;゚?゚)ξ「・・・っ!」

ブーンが急に声を荒げたから、ツンはびっくりして言葉を失った。
今までどんなにひどい言葉を浴びせても怒ることのなかったブーンだっただけに
一気に血の気が引いていくのを感じた。

(#^ω^)「友達が幸せになるのを応援して何が悪いお!
       ツンもジョルジュも大切な友達だお!その二人が幸せになるのをただ純粋に応援したかっただけだお!」

ξ゚?゚)ξ「・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・結果的にツンの気持ちを無視するようなかたちになってすまなかったお。
      でも、俺はただ・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・」

( ^ω^)「それに、ツンの人見知りもなおってきたし、うまくいくはずだお」

その言葉を聞いて、ツンの顔が更に曇った。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・だ か ら・・・・」

( ^ω^)「?」

ξ#゚?゚)ξ「あんたは私の何を知っててそんなこと言ってるのよ!!!!
       いい加減にして!!!!!!!」

(;^ω^)「ツッ、ツン・・・・
      だって、あんなに人見知りの激しかったツンが男とも普通に話せるようになったし、
      何よりも俺とこんなに仲良くなったお。きっとジョルジュとも仲良くできるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・・うっ」

(;^ω^)「ツン!?」

ツンの瞳から大粒の涙が溢れた。
女の子が泣くのを初めて目の当たりにしたブーンは動揺した。

ξ;?;)ξ「・・・・うっ・・・・うっ・・・・・」

ツンの胸元に涙がぼたぼたと落ちる。
ブーンは体が硬直しているのを感じた。なんて声をかけたらいいのか分からない。
ツンをただただ見守るしかできなかった。

夜の住宅街の外れに、ツンの嗚咽だけが静かに響く。
しばらく涙を流した後、ツンは涙目のままブーンを睨みつけた。

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・勘違いしないでよ、
       別にあんたに対して特別な感情があるわけじゃないんだから・・・」

(;^ω^)「・・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・」

ξ;?;)ξ「今日は帰る」

(;^ω^)「おっ、送っていくお!」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・いらない」

ツンはブーンにそっぽを向け、自宅の方向へ歩き出そうとした。

(;^ω^)「ツン、待つお!!!!」

ブーンは思わずツンの腕をつかんだ。
ツンが驚いて振り返った。

(;^ω^)「落ち着くお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・」

ツンの瞳からは涙が流れ続けている。
ツンの潤んだ瞳が、寂しげに街灯に照らされている。

( ^ω^)「ジョルジュと付き合う気がないならそれでいいお。
      でも、何か理由があるのかお?」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・」

ツンはカバンからハンカチを取り出し、涙を拭き取った。
しばらくうつむいた後、吹っ切るように話し出した。

ξ゚?゚)ξ「私が人見知りをするのは、男が嫌いだからだと思う」

(;^ω^)「?男が・・・・?」

ξ゚?゚)ξ「なぜなら、レイプされそうになったからです」

(;^ω^)「!!!!!!!!」

ツンの突然の告白、ブーンは驚いた。
レイプなんて、AVとか雑誌とかでしか聞いたことがなかったから、
まさかツンからそんな言葉がでるなんて・・・。

ξ゚?゚)ξ「中学の時、私あんま良い子じゃなくて・・・・・一時期、悪い友達と付き合ってて・・・
      それで、その時付き合ってた人とか友達とかに騙されて・・・・・」

ツンの脳裏にあの時の情景が甦る。
中学2年生の夏休み。友達のお兄さんの紹介で知り合った高校生と付き合っていたツンは、
その彼に誘われて、初めてクラブハウスに行った。
「ここで待ってて」と言われ、倉庫のような場所へ連れて行かれ、複数の男に囲まれた時はさすがに覚悟を決めた。
しかし間一髪、たまたまクラブのスタッフがその倉庫へ機材を取りに来たことにより、ツンの貞操は守られたのだった。

その彼氏にはツンの他にも何人も彼女がいて、その中でどうでもいい女を仲間に売っていたことを後で知った。
”処女は特に高く売れるから”という言葉に絶望し、しばらく部屋に引き篭もったりもした。
今思えば、ツンにその彼を紹介した友達とその兄もグルだったのだろう。

ξ゚?゚)ξ「元々ちょっとだけ人見知りだったんだけど、
      それがきっかけで極度の人見知りになっちゃって・・・・」

ξ゚?゚)ξ「でも高校に入ったらかわりたかった。
      あんまり頭良くなかったけど、頑張って勉強してVIP高に入った。
      人とうまく接することができるようにと思って生徒会にも入った」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・まぁ、そうは言ってもあんま無理しすぎるのも嫌だったから
      生徒会はゆるいって聞いたから入っただけなんだけど」

ξ゚?゚)ξ「正直言って、私に気がある人と接するのはこわい。
      何か企んでるんじゃないかって変に勘ぐっちゃうし、
      裏切られた時のショックが大きいから・・・」

あの時の男達と全ての男を一緒にするつもりはない。
世の中の男がみんなひどい訳ではない。
それは理解してはいるのだが、どうしても拒絶してしまう。
そんな自分に対して嫌悪を抱くことも多かった。

そんな中、ブーンと出会った。
最初は、なんでこんなに話し掛けてくるのだろうと疑問に思っていた。
しかし、打算せずにただ仲良くなりたいという一心で何度も何度も声を掛けてくれるブーンに
ツンは心を動かされたのだ。

ξ゚?゚)ξ「ブーンは・・・・・・・・私がジョルジュ君と付き合えばいいと思ってる?」

突然話を自分にふられ、ブーンは戸惑いながら答えた。

(;^ω^)「おっ、おっ、思うおっ!」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・そっか」

心なしか、ツンの表情が暗くなった気がした。
何かツンに言葉をかけてあげたい。けど、言葉が出てこない。
自分はなんて無力なのだろうと、ブーンは思った。

ξ゚?゚)ξ「今日は帰るね。ジャケットありがとう」

( ^ω^)「送っていくお」

ξ゚?゚)ξ「いい、一人で帰れるから。じゃ」

そういうとツンは早足でブーンのもとを去った。
ブーンは、薄暗い夜道を歩くツンの様子をじっと見守り、
その姿が街灯の向こうへ消えたところで、自分も帰路についた。

( ^ω^)「・・・ただいまだお・・・」

時計は、午前0時を少し過ぎたところだった。
両親は既に就寝しており、玄関を残して家中の電気が消えていた。
ブーンは自分の部屋へ入り、ベッドに倒れこんだ。

( ^ω^)「なんだか疲れたお・・・」

服を脱いでパジャマに着替えた。明日は休みだ。もう今日はこのまま寝てしまおう。
そう思って電気を消そうとスイッチに手を伸ばしたところで、携帯が鳴った。

ぴぴるぴるぴぴ~♪

( ^ω^)「・・・・・・・・・」

『from:ツン』

( ^ω^)「やっぱりツンだお・・・・」

『本文:今日は暗い話してごめん。ジョル
    ジュ君のことなんだけど、付き合っ
    てみることにする。それじゃ。   』

( ^ω^)「付き合うことにしたかお?・・・・・・・・・・・・・・よかったお」

強烈な眠気がブーンを襲う。
( ^ω^)(ツンは可愛い方なのに、なんで彼氏がいないかなんとなく分かった気がするお)
そんなことをぼんやり考え、心に何かモヤモヤしたものを感じながら、眠りについた。

サービス業は、土日祝日が最も忙しい。
ツンのバイト先のファミレスも例外ではなかった。
お冷を運んで、注文を取って、料理を運んで・・・
子供が多いと、ジュースをこぼしたり食器を壊したりなんてことも多くなるから、余計に忙しくなる。
それでも、忙しい方が都合が良かった。
こうして仕事に集中して動き回ってることで、余計なことを考えなくて済むから。

(゚∋゚)「ツンちゃん、11番に食後のコーヒー!」

ξ;゚?゚)ξ「はい!」


J(‘ー‘)し「ブーン!いつまで寝てるの?早く起きなさーい」

( -ω-)「んー・・・・・・・・・・」

母の声で、ブーンはやっとのことで起きあがった。
起き上がり、時計を見るともう午後になっていた。
けだるい土曜の朝ほどやる気の出ないものはない。
ブーンは頭をかきながら大きなあくびをして、少し気合を入れてからベッドを降り、リビングへ向かった。

( -ω-)「おはだおー」

J(‘ー‘)し「ブーン、お母さん出かけてくるからね。ご飯は冷蔵庫に入ってるから」

( ^ω^)「わかったお」

洗面所に向かい、洗顔ネットに水をつけ、ネットで洗顔フォームを泡立てる。
ブーンは中学の時にニキビに悩んでいた。正しい洗顔方法で洗顔をすれば改善できると聞き、
アクネケア用の洗顔フォームをネットで泡立てて洗顔してみたところ、肌が劇的に改善したので、
それ以来、ふわふわの泡を使っての洗顔を欠かさない。
母が化粧品メーカーの美容部員をしているので、肌に関する悩みは全て母に聞いていた。

洗顔が終わり歯を磨いている時に、ふと足元に何かが転がっているのに気がついた。
それを拾い上げると、母のリップクリームだった。

( ^ω^)「なんだおwww中身ないのかおwwww捨てるお」

リップクリームをゴミ箱へ向けたところで動きが止まった。

( ^ω^)(このリップクリーム、去年のツンの誕生日にプレゼントしたお・・・)

ツンは唇の乾燥に悩んでいた。特に冬になるとガサガサになるので、
見かねてちょっと高価なリップクリームを贈ったのだ。

ξ゚?゚)ξ『内藤!このリップクリーム今まで使った中で一番いいよ!
     さすが射精堂は違うね』
無邪気に報告してくれた時のあの笑顔。

ξ;゚?゚)ξ『えっ・・・・これ、私がいつも使ってたリップの10倍以上もすんの?』
値段を聞かれ、つい答えてしまった時のツンの驚いた表情。

ξ゚?゚)ξ『はぁ?あんたネットで洗顔してるの?・・・・・・・・・・・・キモイ』
自分の洗顔事情を説明した時の言葉。
言葉こそキツかったが、ブーンはツンの心意を分かっていたから、別に腹がたつ事はなかった。

( ^ω^)(ツンは今でもあのリップクリームを使ってるのかお?
      そういえば、ファミレスで食器洗いを手伝わされると手が荒れるって言ってたお。
      今度の誕生日は・・・)

( ^ω^)「・・・・・・・・・!!!!」

(;^ω^)だっ、だめだお!!!!」

不意に、ツンのことを思い出すのがいけないことのように思えてきた。
もうツンはジョルジュと付き合うと決めたのだ。
今までのような友達関係ではいられなくなる。
二人を応援すると決めた。

でもなぜだろう、今になって、ツンのことばかり考える。
思い出されるのはツンの笑顔。
ツンの表情、言葉、仕草が、自分の体に染み付いてるようにブーンにつきまとう。

( ^ω^)「やっぱりちょっと距離を感じるお。寂しいけど、仕方ないお」

ブーンは悶々とした気持ちを振り払って、リップクリームをゴミ箱へ投げ入れた―。

ピンポーン

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」

ガチャッ

('A`)「ういー。まぁ中入れよ」

( ^ω^)「お邪魔しますおー」

ブーンの家から歩いて20分ほどのところに、ドクオの家があった。
ブーンとドクオはVIP高で知り合った。たまたま隣の席になり、話していくうちに仲良くなっていった。
ドクオはゲームやアニメが趣味の、いわゆるおたくだった。
かたやブーンは、ゲームは小学生の頃にボンバーマンをやったっきりで、アニメも殆ど見ずに育ってきた。
趣味といえば音楽を聴くくらいだし、毎日に刺激を求めるでもなく、暮らしてきた。
二人は全く正反対だったのだ。

('A`)「さっきCHIRUOの同人誌が届いたばっかなんだ。
    コミケとか行けないしな」

( ^ω^)「ちるお?」

('A`)「シスプリのさくまもが好きな奴」

( ^ω^)「さくまも????」

('A‘)「学ランのまもり萌え」

二人の会話はかみ合わないことも多かったが、それでも特に気にした事はなかった。
お互いマイペースだったが、絶妙なバランスで補ってきた。
普通、おたくの友達とここまで仲がいいと多少なりとも影響を受けるものだが、
ブーンは興味がないものにはとことん興味が沸かない性分だったために、幸いにもおたくになることはなかった。

ドクオは、家にブーンが遊びにきても気にせず一人でゲームをしたりアニメを観たりしているから、
ブーンは部屋中にある漫画本を読んだりインターネットをしたりして勝手に楽しんでいた。

('A`)「晩飯食ってく?ピザでいい?」

( ^ω^)「おk」

夕食にデリバリーのピザを取り、食べ終わって一休みしている時に
会話はツンの話へとうつった。

('A`)「ふーん、ツンとジョルジュがねぇ」

( ^ω^)「二人がくっついて良かったお。でも遊び相手が減って寂しいお」

('A`)「お前には俺がいんじゃん」

(;^ω^)「キモスwwwwwwwwww」

('A`)「あー、俺もセックスしてえぇー」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・!セッ・・・?」

('A`)「付き合い始めてどれくらいでヤルもんなの?俺にはわかんね」

( ^ω^)「・・・・・・・俺もだお」

不意に、ツンとジョルジュが性行為をしている様が浮んだが、なんだか気持ち悪くなってすぐに掻き消した。

(;^ω^)(かあちゃんととうちゃんのセクロスを思い浮かべるのも気持ち悪いけど・・・)

なんていうか、それとはまた違った気持ち悪さというか・・・。
そもそもツンはジョルジュと性行為に及ぶことができるのか?
レイプされそうになったのなら、そういう行為に多少なりとも抵抗があるのではないかと思うのだが、
結局は自分のことじゃないので、考えは想像の域を出ない。

(;^ω^)(つーか・・・・・・・・・・・・またツンのこと考えてるお)

いけない。
ブーンはコーラを一気に飲み干した。

('A`)「あーセックスしてえなー」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

('A`)「・・・・・・・・・まぁ、あれだ」

( ^ω^)「?」

('A`)「お前のペースでツンをサポートしてやればいいんじゃね?」

( ^ω^)「・・・・・・・!」

('A`)「ツンが決めたことなんだから受け入れるしかねーし・・・・・・
   それでもしツンが傷つくようなことがあったら・・・・・その時はお前がフォローしてやれよ」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・ドクオ」

ブーンは、目の奥が熱くなるのを感じた。
これが二人の「絶妙なバランス」というもので、正反対でマイペースな二人を繋ぎとめる大切な絆だった。
ブーンがドクオの顔をじっと見つめると、ドクオの口元が歪んだ。

('A`)「なんだよ?気持ちわりいな」

(*^ω^)「今ちょっとドクオに抱かれてもいいと思ったおwwwwwwwww」

('A`)「うほっwwwwww気持ちは嬉しいが、どちらかといえば俺も抱かれたいタイプだ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・アウアウwww」

('A`)「・・・・・・・・・・・・アーロンになら抱かれてもいい」

そう言うとドクオは再びTVへ向かい
ファインアナル・ファンタジア10を始めた。

(゚∋゚)「ツンちゃん早番ご苦労様ー。上がっていいよ」

ξ゚?゚)ξ「はい、お疲れ様でした」

土日の2日間、ツンは休むことなく動き続けた。
土曜の夜はバイトから帰った後は疲労ですぐに眠りについたし、
日曜は早番で9時半出勤だったから、起きてすぐにバイト先へ向かった。
そして何も考える余裕もなく働いた。

ξ゚?゚)ξ(5時かぁ・・・・。いつもならブーンと遊ぶんだけど・・・・)

その時、後ろからタバコのにおいがした。
ロッカールームには喫煙所がある為、休憩中のスタッフはここでタバコを吸うのだ。

ξ;゚?゚)ξ「うう・・・・」

ツンは思わず口元に手を押さえた。
タバコのにおいをかぐと、あの時のことがフラッシュバックされる。

ξ゚?゚)ξ(これでも良くなってきたのよ・・・・)

前はタバコのにおいをかぐだけで吐き気を催したり、パニックになっていた。
それが、今では嫌悪を抱くくらいで体調に変化があらわれることもなくなった。

ξ-?-)ξ(吐き気がないのはいいけど・・・・・
       私はこうやってあの時の気持ちを忘れていくのかな・・・・)

ブラウスのボタンに手をかける。
一刻も早く、あの時のことを忘れたいと思う反面、気持ちが風化していくことに疑問を感じることがある。
あんなに悔しい思いをしたのに、あんなに人を憎んだのに、あんなにつらかったのに。
今はまるで何事もなかったように暮らしている。
あの時の気持ちは嘘じゃなかったはずなのに、こんなに簡単に忘れるものなの?
本当にこれでいいのか、時々分からなくなるし、忘れた方がいいのか、忘れずにいた方がいいのか、答えは今も出ていない。
私はどうしたらいいんだろう。どうしたら素直な気持ちで人を好きになれるんだろう。
どうしたら、人を信じることができるようになるんだろう。

ξ-?-)ξ(こんなネガティブな、悲劇のヒロインみたいな考え方をしちゃうのも嫌だ・・・)

どうしたら自分のことを好きになれるんだろう。
ブラウスのボタンを開ける手がとまった。

ξ;?;)ξ(こんなのがあるから、私はいつまでたっても・・・・・・・・・・)

鎖骨の下の小さなアザを見て、心から黒いドロドロした感情が溢れ出すのを感じた。

( ゚∀゚)「あっ、ツン・・・!」

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君!?」

着替え終わってジュースを飲んで一休みし、バイト先を出たところで
不意にジュルジュに声をかけられた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・あれ、どうしたの?」

( ゚∀゚)「ツンと話がしたくて・・・・いい?」

ツンはこくんと頷いた。
大丈夫、もう答えは出ている。早かれ遅かれ言わなきゃいけないことだったのだ。
そう思い、覚悟を決め、先を歩くジョルジュの後ろを追って歩いた。

( ゚∀゚)「ごめん、なんか落ち着かなくてさ」

ξ゚?゚)ξ「いや・・・・そんな・・・・」

( ゚∀゚)「あんまりツンの負担になるようなことはしたくなかったんだけどさ。
    ツンのこと考えたら、いてもたってもいられなくなっちゃって」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・・」

( ゚∀゚)「一昨日言ったように、俺はツンのことがずっと前から好きだったんだ。
    ツンのことは絶対大事にする」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「これだけは分かって欲しかったんだ。
     あとはツンがどんな返事をしても俺は受け入れるから。
     だから納得のいく答えを出してくれ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「話はそれだけ。ごめんね急に押しかけて。
     それじゃあ帰・・・」

ξ゚?゚)ξ「ちょっと待って」

( ゚∀゚)「?」

ジョルジュが帰ろうと立ち上がったところで、ツンは引き止めた。
この人なら大丈夫かな?私の全てを受け入れてくれるのかな?
大丈夫、ブーンとあんなに仲良くやれてた。
私は男嫌いがなおったんだ。

ξ゚?゚)ξ「私でよければ・・・よろしくお願いします」

( ゚∀゚)「本当に!?」

ξ///)ξ「うん・・・・」

( ゚∀゚)「あっ、ありがとう!!!!!」

ひたすら喜びつづけるジョルジュを見て、嬉しいような恥ずかしいような、胸が痛むような・・・。
今この瞬間から、この人は私の「彼氏」なのだ。

ふと、あの時付き合っていた男の顔を思い出した。

ドクオの家へ遊びに行ったブーンは、そのままドクオ宅に泊まった。
そして次の日、ドクオと一緒に街へ遊びに行った。ゲーセンに行って、カラオケに行って、
とにかくむしゃくしゃした気持ちを発散したくて騒ぎまくった。

日曜の夜9時に帰宅し、机の上に放置された携帯電話に目をやった。
いつもなら持ち歩くのだが、あえて家に置いたまま出かけたのだった。

その携帯の画面には『着信あり/メールあり』と表示されていた。
ブーンは携帯を手に取った。

( ^ω^)「・・・・・・・・・」ピッピッ

( ^ω^)「おっ、ジョルジュからメールがきてるお」

『from:ジョルジュ
件名:応援ありがとう
本文:今日、ツンからOKをもらって、付
    き合うことになりました。これもブ
    ーンの応援のおかげ。マジであ
    りがとう。             』

( ^ω^)「ツンが返事したのかお・・・」

ピッピッ
(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・お?」

『     着信履歴
 ?10月×日(日) 16:38  〔不在〕
    ツ ン           』

(;^ω^)「ツンから電話がきてたのかお・・・・」

ブーンは少し考えた後、メールを打った。

( ^ω^)「送信・・・と。さて、風呂入るお」

クローゼットから着替えを取り出し、風呂場へ向かった。

『to:ジョルジュ
件名:おめでとうだお
本文:うまくいって良かったお。
   ツンのことよろしくだお。 』

( ^ω^)「うは~~~~~wwwwwww風呂キモチヨス」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」

その日ツンは、鳴るはずのない携帯電話をいつまでも見つめていた。

あの日以来、ブーンとツンは連絡を取り合うことはなくなった。
ジョルジュの知らないところでツンに連絡をするのは気が引けたし、
何よりもあの日、着信があったのに電話もメールもしなかったことに後ろめたさを感じていたからだ。
今までどおりに接する事ができるか分からない。きっと不自然に接してしまうだろう。
そしてそれ以上に、ツンは自分のことを今までのように「友達」と思い続けてくれるかが心配だった。

ツンも、ブーンのことを極力避けた。
校内でなるべく会わないように、教室を移動する時も周りに注意して歩いた。
ブーンがすでに生徒会を引退していたので、教室まで会いに行かなければ会うこともない。
二人は校内で顔を合わせることはなかった。少なくとも、ツンはそう思っていた。

( ^ω^)「・・・・・・・・・」

('A`)「おいこらてめぇ俺の話聞いてんのか」

(;^ω^)「・・・・おっ?おお、すまなかったお」

('A`)「外なんか見て黄昏れやがって。俺好みの萌えるツインテールでもいんのか?」

(;^ω^)「おっ・・・・・」

('A`;)「あ・・・・・」

ドクオが教室の窓から乗り出して外を見ると、ツンが校門で誰かを待っているのが見えた。
少ししてツンのもとへジョルジュが駆け寄り、何か言葉を交わした後に、二人は肩を並べて歩いていった。

('A`)「・・・・・・・まぁ確かにツインテールだな」

ドクオはバツの悪そうな表情で椅子に座り、読みかけのライトノベルを開いた。

( ^ω^)「うまくいってるみたいで良かったお。安心したお」

('A`)「・・・・・・・・・まぁ、はたから見てりゃあジョルジュはツンにぞっこんだもんな。
   それにまだ付き合い始めて1ヶ月くらいじゃねーか。そりゃラブラブだわな」

( ^ω^)「ずっとラブラブなままでいられるといいお。そう願ってるお」

('A`)「・・・・・・・・・・・・ノーコメント」

(;^ω^)「・・・」

ドクオは気付いていた。ブーンがいつもツンの姿を探していたことを。
無意識に、ツンと同じように二つ結いの髪型の女の子を目で追ったりしていたし、
放課後ともなればいつも教室の窓から外を眺めていた。

('A`)(不器用なやつ・・・・)

そんなブーンを見て、ドクオはいつもそう思っていた。

ξ゚?゚)ξ「・・・えっ?メイヂ大学?」

( ゚∀゚)「うん、1年の時から目指してるんだ」

ξ゚?゚)ξ「へぇー、なんかすごいね。メイヂ大学って東京でしょ?」

( ゚∀゚)「ああ、晴れて合格したら上京だな」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・すごいね」

( ゚∀゚)「あっ、さては俺と離ればなれになるのがて寂しくなるとか思ってる?」

ξ*゚?゚)ξ「やっ・・・・やだっ
      そうやってからかって!!!」

( ゚∀゚)「大丈夫!ちゃんと電話もメールもするって!
    ほんっと、ツンは可愛いなぁwwwwww」

そう言ってジョルジュはツンの頭を撫でた。

ξ*-?-)ξ「・・・・・もうっ」

( ゚∀゚)「ツンがどんなことで悩んでるか、なんとなく分かるよ。
    俺のことは気にしなくていい。ツンのペースでいいから、無理しないで。
    俺と会うのがつらかったら正直に言ってくれ
    そばにいていいなら、いつでもツンのそばにいるから」

ある日の帰り道にジョルジュはツンに言った。
ジョルジュは、こちらが申し訳くなるほどに心が広かった。
これが”大人”なんだと、ツンは思った。
その言葉のおかげで、自分に負担をかけずに付き合うことができた。
すぐに打ち解けるのは無理だったが、徐々に徐々に心を開いていったのだ。

( ゚∀゚)「もうすぐ付き合って1ヶ月だね」

ξ゚?゚)ξ「えっ?あっ、そうだね」

( ゚∀゚)「初めての記念日だよ。なんか楽しみだねー」

ξ゚?゚)ξ「えっ?普通記念日って半年とか1年とかじゃないの?」

( ゚∀゚)「お祝いがいっぱいあった方が楽しいじゃん」

ξ*゚?゚)ξ「ふふっ・・・・・・そうだね」

ごく普通のカップルみたいになれたことがたまらなく嬉しかったり、逆に違和感を感じたりもしたが、
それなりにうまく付き合うことができて、ツンは安心していた。

( ゚∀゚)「じゃーまた明日。家に着いたらメールするな」

ξ゚?゚)ξ「うん、気を付けて帰ってね」

ジョルジュの顔がツンの顔へと近付き、唇と唇が軽く触れる。
そしてジョルジュはツンをぎゅっと抱きしめる。これが二人のさよならの儀式だった。
玄関先でジュルジュに小さく手を振り見送る。そしてジョルジュの姿が見えなくなったところで、家に入る。
これがいつもの流れだった。

ξ-?-)ξ「・・・・・ただいま」

部屋に入り、制服を脱ぎ捨て部屋着に着替える。
両親はまだ帰っていない。父は外資系の商社マンで、母は新聞社に勤めている為、
二人供いつも帰宅が遅かった。
ひどい時には帰らない日もあるほどだ。
幼い頃から放任主義な家庭で育ったツンは、まだ17歳だったが家事は一通りこなしていた。

ξ-?-)ξ「・・・・ご飯作ろ」

朝食は母が用意してくれていたが、夕食はいつも自分の分だけ作っていた。

ξ゚?゚)ξ「バイトがない日はご飯作るの面倒くさいなぁ」

ツンがファミレスでのバイトを選んだのは、休憩時間の食事を支給してくれるからだった。

ピルル~♪

ツンの携帯電話が鳴った。
野菜を洗う手を止め、タオルで水気を拭き取り携帯を開く。

『from:ジョルジュ
件名:
本文:ただいま帰宅!
   来週の開校記念日の日はバイト休みだっ
   たよね?良かったら俺んちに来ない?
   むさ苦しいところですが・・・(笑) 』

ξ゚?゚)ξ「・・・ジョルジュ君の家に・・・」

しばらく携帯を見つめていたが、メールの返信をせずに夕食作りの作業へ戻った。

翌日の昼休み
いつものようにジョルジュが2年の教室にツンに会いにきた。
頭が良くて心の広いジョルジュと、可愛くて女子の憧れの的のツン。
二人が付き合い始めたという話はすぐに広まり、密かに「理想のカップル」と言われるまでになっていた。

ジョルジュは大学受験を控えているということもあり、勉学に追われていてなかなか忙しい毎日を送っていたが、
それでもなんとか時間のやりくりをしてツンと会う機会を作っていた。
そして昼休みにはよく屋上で話しをしたりしていた。

この日もいつものように、屋上で肩を並べて話す二人の姿があった。

( ゚∀゚)「開校記念日の日さ、ちょうど親が出掛ける予定なんだ。
     俺も塾ないしさ、うちにおいでよ」

ξ゚?゚)ξ「うーん、でもなんか緊張するな・・・」

( ゚∀゚)「緊張する必要ないって!普通の民家だしw」

ξ゚?゚)ξ「・・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・心配?」

ξ;゚?゚)ξ「えっ!?」

それまでうつむいていたツンだったが、ジョルジュに顔を覗き込まれてドキッとして顔を上げた。
ジョルジュの顔が思ったよりも近いところにあって、更に心臓が高鳴るのを感じた。

( ゚∀゚)「俺が何か変なコト企んでるんじゃないかって思ってる?」

ξ;゚?゚)ξ「そ、そんなんじゃ・・・!」

( ゚∀゚)「お前はすぐに顔に出るなwバレバレだよ」

ξ///)ξ「・・・・・っ」

この人には全て見透かされている気がする。
なんでも気付いちゃうんだ・・・。

( ゚∀゚)「まぁ男の”大丈夫”なんて信用できないと思うけどさ。
     俺はただお前と楽しく過ごしたいだけだよ」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・」

( ゚∀゚)「んー、でもツンが嫌なら無理強いはしないよ。
     映画でも見に行く?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・いいよ
      せっかくゆっくりできる日なんだから、ジョルジュ君の家で遊ぼ?」

( ゚∀゚)「いいの?大丈夫?無理しなくても・・」

ξ゚?゚)ξ「いいの!無理なんてしてないよ
      何かお菓子作って持ってくね」

( ゚∀゚)「ツンの手作りのお菓子か!楽しみだなぁ!!
    俺、甘いもの大好きなんだ」

屈託なく笑うジョルジュの笑顔に吸い込まれそうになる。
なんていうか、巧みな話術で騙されているような錯覚に陥ることがよくある。
人の心を誘導するのがすごく巧い。

とは思うものの、ジョルジュがすごく楽しみにしている様子を見て、純粋に嬉しい気持ちになることには変わりはない。
何を作ろうかな、折角だから新しいレシピに挑戦してみようかな。
そういえば他人に料理を出すのは初めてだ。

キーンコーンカーンコーン♪

ξ゚?゚)ξ「あっ、予鈴・・・ 次移動だ」

( ゚∀゚)「じゃあまた帰りに」

ξ゚?゚)ξ「うん、午後の授業頑張ってね」

( ゚∀゚)「サンキュ」

ジョルジュはツンを引き寄せ、優しく抱きしめた。
二人の唇が重なる。2回、3回軽く口づけたあと、手をつないで屋上と教室をつなぐ階段を駆け下りた。

( ゚∀゚)「ツンお待たせ」

ξ゚?゚)ξ「ごめんね、わざわざ駅まで迎えにきてもらっちゃって」

( ゚∀゚)「いいんだって。家で待ってても落ち着かないしさ。
    それに、早くツンに会いたかったし」

ξ///)ξ「・・・・もうっ」

( ゚∀゚)「照れた照れた♪
    さ、行こうか。ちょっとコンビニで買い物して行ってもいい?」

ξ*゚?゚)ξ「うん」

開校記念日。約束の日がきた。
二人は駅前で待ち合わせをし、近くのコンビニでジュースやおやつを買い、ジョルジュの家へ向かった。

( ゚∀゚)「ささ入って。誰もいないから遠慮しないで」

ξ゚?゚)ξ「お邪魔しまーす」

ジョルジュの家に着くと、すぐにジョルジュの部屋に通された。
7畳ほどのフローリングの部屋には大きな本棚があり、難しそうな本がぎっしり並んであった。
机の上には教科書や参考書が積み重なって置かれていて、これがまさしく受験生の部屋なんだな、と思った。

ξ゚?゚)ξ「勉強は大丈夫なの?私なんかと遊んじゃって・・・」

( ゚∀゚)「毎日勉強してるんだ、一日くらいツンとゆっくり過ごしたってバチは当たらないよ」

ξ゚?゚)ξ「それもそうね・・・。じゃあ明日からまた勉強頑張らないとね」

(;゚∀゚)「早速明日の話かよ。勘弁してくれー」

ξ*゚?゚)ξ「ふふw
     あ、そうだ。これ作ってきたんだけど・・・」

( ゚∀゚)「えっ、本当に作ってくれたの!?うわっ嬉しー」

ツンは昨日の夜、バイトから帰った後に遅くまで起きて作ったレモンタルトをテーブルの上にさし出した。
初めて作るレシピだったが、なかなか上手く焼けたと思う。
二人は早速切り分けて食べた。

( ゚∀゚)「マジ美味い!めちゃくちゃ感動!!」

ξ゚?゚)ξ「おおげさだってw」

( ゚∀゚)「いいや!今まで食べたお菓子の中で一番美味い!
    本当にありがとうツン!!」

ξ///)ξ「・・・っ」

それにしても、ジョルジュって本当に美味しそうに食べるなぁ。
これだけ食べっぷりがいいと、もっと腕をふるいたくなっちゃうよ。


ξ゚?゚)ξ「あーっもう!ジョルジュ君にはかなわないよ!」

( ゚∀゚)「ハハハ 結構やり込んだからな、この格ゲー」

タルトを食べ終えた二人は、ストリート・ファッカーという格闘ゲームをしていた。

ξ゚?゚)ξ「でも面白いね、格闘ゲームって。私初めてやったよ」

( ゚∀゚)「ごめんね、大人気なく勝ちまくっちゃって」

ξ゚?゚)ξ「どうせ私は弱いですよー」

( ゚∀゚)「あはは、そう拗ねるなってw」

ξ///)ξ「・・・っっ」

そう言ってジョルジュはツンの頭を優しく撫で、抱きしめた。
最初は抵抗があったツンだったが、回を重ねるごとに慣れていった。
今ではこの行為をいとおしく感じている。

ジョルジュの指がツンの唇に触れ、そっとなぞる。

( ゚∀゚)「ほんと柔らかくて気持ちいいよね、この唇」

ξ///)ξ「・・・・っ」

ツンは誕生日にブーンからもらったリップクリームをずっと愛用していた。
そのことを思い出したツンの心がチクリと痛んだ。

ツンの唇にジョルジュの唇が優しく触れる。

( ゚∀゚)「慣れた?キス」

ξ*゚?゚)ξ「う・・・うん」

( ゚∀゚)「付き合い始めの頃は目すら合わせてくれなかったもんなw」

ξ///)ξ「ご・・・ごめん」

( ゚∀゚)「ほら、顔上げて・・・」

再びジョルジュの唇が重なる。

ツンは今、ジョルジュの事を本気で愛し始めていた。
大人のような包容力と優しさを持つジョルジュは、決してツンに強引に肉体関係を求める事はなかった。
優しく、様子をうかがいながらツンに接するジョルジュを見て、
”この人なら信じられるかもしれない”
そう思っていた。

( ゚∀゚)「ツンのこと、もっと深く愛したいな」

ξ*゚?゚)ξ「???」

( ゚∀゚)「くち ちょっとあけて」

ξ///)ξ「!!!!」

ジョルジュの唇が触れ、舌が濃厚に絡まる。

ツンは脳がしびれるのを感じた。
生まれて初めてするディープキス。他人の舌が自分の口の中に入るなんて気持ち悪いと思っていたが、
ジョルジュの舌がツンの舌と絡み合う感触がとても気持ちよかった。
気が付くとツンは自ら舌を絡めていた。

静かな室内に響く二人の吐息と、舌と舌が絡まりあう音を聞きながら、
ツンは頭の中が真っ白になっていくのを感じた。

ジョルジュに抱きしめられ、濃厚なキスを交わしながらツンはふと思った。
ジョルジュ君、前にもしたことがあるのかな・・・。
そう考えたところで、どこかへ飛んでいた意識が急に引き戻された。

血の気が一気にひいていく。
ξ゚?゚)ξ(私以外の人とも、同じようなことを・・・?)
激しい焦燥感がツンを襲う。
何故こんな気持ちになるのかツン自信も戸惑ったが、明らかに嫉妬していることは理解できた。

ξ-?-)ξ(・・・私だって中学の時に彼氏がいたんだもの、ジョルジュ君にいたっておかしくないよね。
       何考えてるんだろ・・・)

ツンはそっと唇を離し、うつむいた。

( ゚∀゚)「?どうしたの、ツン。嫌だった?」

ξ;゚?゚)ξ「あっ、そういうわけじゃ・・・」

( ゚∀゚)「ごめんな、俺焦りすぎたな。ほんとごめん」

ジョルジュがツンの頭を撫でる。

ξ゚?゚)ξ(違うの・・・悪いのは私なのに・・・どうしてこんなに優しいの?)

目の奥が熱くなる。ツンは涙をこらえるのに必死だった。

( ゚∀゚)「ツン、気分転換に音楽でも聴くか?」

ξ゚?゚)ξ「・・・うん」

( ゚∀゚)「何がいいかなー。ツンって普段何聴いてるの?」

ξ゚?゚)ξ「えーとねぇ・・・・・・あっ」

( ゚∀゚)「?」

CDラックの隣のカラーボックスに、”卒業アルバム”の文字が見えた。

ξ゚?゚)ξ「これ見たい♪・・・だめ?」

( ゚∀゚)「んー・・・・いーよー」

ξ゚?゚)ξ「えへへ、ジョルジュ君の中学生の頃かー」

( ゚∀゚)「おいおい、ツンだから見せるんだぞ。俺だって恥ずかしいんだからなー」

ξ゚?゚)ξ「はーい」

卒業アルバムのページをめくる。そのアルバムは、幼さの抜けない生徒たちの笑顔で溢れていた。

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君って、何組だったの?」

( ゚∀゚)「当ててみー?」

ξ゚?゚)ξ「うーん・・・・」

クラス別の個人写真のページを開き、一人ずつじっくり眺める。

ξ゚?゚)ξ「・・・あっ、これ?3年4組!」

( ゚∀゚)「あたりー。あーすげー恥ずかしいからあんま見ないでくれよ」

ξ*゚?゚)ξ「へー、これが昔のジョルジュ君かぁ。今とあんま変わらないね」

( ゚∀゚)「よく言われるよ。ツンは中学生の時から可愛かったんだろ?」

ξ*゚?゚)ξ「もー、そんなことわかんないよー」

( ゚∀゚)「可愛かったんだろうな、中学生のツン」

ξ///)ξ「もー」

ツンが照れながらページをめくっていると、一番最後の、メッセージを書き込むコーナーに辿りついた。
そのコーナーの一番最初のページに書かれてあるメッセージに、ツンは思わず見入ってしまった。

( ;゚∀゚)「あっ・・・・・」

『ジョルジュへvvvv
 ずっとずっと一緒だよvvvお嫁さんにしてねvvvvv
                              さやか』

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・」

体が硬直している。もしかして、見てはいけないものを見てしまったのではないか。
・・・いや、できることなら見たくないものだった。

( ;゚∀゚)「ツン・・・・・」

ξ;゚?゚)ξ「・・・ご、ごめんね。見ちゃいけなかったかな?」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・当時付き合っていたコなんだ。高校に入った後すぐに別れたけど・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・そっか」

( ゚∀゚)「そいつとはもうとっくに終わったんだ。今はなんとも思ってない」

そういうとジョルジュは卒業アルバムと閉じ、元あった場所にしまった。

( ゚∀゚)「・・・・音楽聴こうか、何がいいんだっけ?」

ジョルジュが立ち上がりCDラックへ向かうと、ツンに背中を向ける形になった。
ツンにはその後姿が寂しげに見えた。

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君・・・」

ツンは立ち上がり、ジョルジュの背中にぎゅっと抱きついた。

ξ゚?゚)ξ「ごめんね、私は全然気にしてないから、心配しないで」

( ゚∀゚)「ツン・・・・」

ジョルジュは振り返り、ツンをそっと抱きしめる。そして、唇を重ねた。
今度は何も告げずに舌をからめてきた。ツンもそれに応える。

( ゚∀゚)「ツン、そこに座って」

ジョルジュがツンをベッドに誘導する。ツンは言われるがままにベッドに腰掛けた。
お互い向かい合うように座ると、ジョルジュはツンを強く抱きしめた。
そして、濃厚にツンにキスをする。
しばらくキスをしたあと、今度はツンの耳に軽く口付ける。そして、ジョルジュの手がツンの服の中に入ってきた。

ξ;゚?゚)ξ「!!!!」

ツンは驚いたが、ジョルジュのキスにすっかり酔っていて、
このまま身を預けてもいいと、そう思っていた。

ジョルジュの手が下着ごしにツンの胸に触れる。ツンは恥ずかしくて思わず身悶える。
それでもジョルジュの手が止まることはなかった。
ジョルジュは片手でブラジャーのホックを外し、ツンの小さな胸に直接手を触れた。

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・」

濃厚なキスをしながら乳房を触られ、ツンはおかしくなりそうだった。
掌で乳房を優しく揉みながら、親指で乳首を軽く刺激され、どうしようもないくらい興奮していた。

その時、ジョルジュの唇がツンの唇から離れた。
そして、ツンの服をゆっくりと捲り上げた・・・。

ξ;゚?゚)ξ「!!!!!」

突然、ツンは例えようのない恐怖感に襲われた。
そして

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・うう・・・・」

ツンは溢れ出る涙をこらえることができなかった。

(;゚∀゚)「ツン!?ごっ、ごめん!!」

その様子に気付いたジョルジュは、すぐさま愛撫する手を止め、ブラジャーのホックをしめ、捲くっていた服を元に戻し、
ツンを抱きしめた。

( ゚∀゚)「ごめん!ツンの気持ち無視して・・・。
    俺、今日どうにかしてるな」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・」

ツンはジョルジュの胸の中で静かに泣いた。


ξ゚?゚)ξ「今日はお邪魔しました。勉強しなきゃいけないのに、ごめんね」

( ゚∀゚)「俺のほうこそ、ツンを困らせちゃってごめんな」

ξ゚?゚)ξ「ううん・・・・私の方こそ・・・」

( ゚∀゚)「焦らなくていいよ。俺らは俺らのペースでいこう」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・うん」

二人は軽く口づけをして別れた。
空の色が、赤から濃紺へと移り変わっていた。

('A`)「なんだよあの本屋。ヂーズマガジン置いてないなんてふざけやがって」

ドクオは腹を立てながら薄暗い歩道を歩いていた。

('A`)「「帰ってオナニーでもして寝るか・・・・・お?」

ドクオは反対側の歩道をとぼとぼと歩くツンの姿を見つけた。

('A`)「おーい、ツーン」

ξ゚?゚)ξ「ドクオ!?」

ドクオは道路を渡り、ツンのもとへ駆け寄った。

ξ゚?゚)ξ「こんな所で会うなんて奇遇だね!」

('A`)「ああ、どうしたんだ?一人で。今日はデートじゃなかったのか」

ξ゚?゚)ξ「もーからかわないでよー」

('A`)「うまくいってるみたいだな」

ξ゚?゚)ξ「・・・う、うん、ぼちぼち」

('A`)「ブーンがさ、寂しがってるんだ。メールしてやってくれよ」

ξ゚?゚)ξ「ブーンが・・・」

('A`)「じゃなきゃ俺犯されちまうよ」

ξ;゚?゚)ξ「キモッ!」

('A`)「ところでお前んち、あの辺だよな?送ってこか」

ξ゚?゚)ξ「大丈夫だよ、この辺は人通りも多いし。じゃあね」

('A`)「おー。気を付けて帰れよな」

ドクオはツンの姿を見送ると、

('A`)「なんかあったなありゃ」

そうつぶやいた後、今夜のおかずはツインテールは止めておこう、
そんなことを考えながら、自分も帰路についた。

ξ゚?゚)ξ「今日も図書館に行くの?」

( ゚∀゚)「ああ。センターまであと2ヶ月だしな」

ξ゚?゚)ξ「そっかぁ。頑張ってるね」

( ゚∀゚)「ツンも今日バイトだろ?お互い頑張ろうな」

そう言ってジョルジュはツンの小さな手を優しく握る。

ξ*゚?゚)ξ「うん」

ツンもそっと握り返した。

( ゚∀゚)「あれ・・・なんか手荒れてるね」

ξ゚?゚)ξ「あ、うん。食器洗いのバイトの人が急に辞めちゃって。
     新しい人入るまで、ホールと食器洗い両方やってるの」

( ゚∀゚)「そうなんだ。ぞれじゃあ仕方ないね。
    大変だろうけど頑張ろうな」

ξ゚?゚)ξ「うん」

ジョルジュがツンの透き通るような白い頬に口付ける。

暦は既に11月になっていた。
ジョルジュがセンター試験を控えているせいもあり、二人が会う機会は日に日に少なくなっていた。
それでもジョルジュはツンへのメールを欠かさなかったし、あまり会えない分、二人一緒に過ごす時間を
大切にしていた。
ただ、あの日以来、二人の関係が進展することはなかった。

( ゚∀゚)「もうすぐ予鈴なるね。そろそろ行こうか」

ξ゚?゚)ξ「うん」

ツンが屋上のドアに手をかけたところで、ジョルジュがツンの手をつかんだ。

( ゚∀゚)「ツン・・・」

ξ゚?゚)ξ「?どうしたの?」

ジョルジュはツンをそっと抱きしめた。

( ゚∀゚)「寂しい思いさせてごめんな。俺はかわらずツンのこと愛してるから・・・」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・・・うん」

二人は甘い口付けを交わす。
夢中になって口付けあっていたが、しばらくして予鈴がなり、二人は慌てて教室へと走った。

放課後―

(^▽^)「あれ、ツン
     今日は彼氏と一緒に帰らないの?

バイト先に向かおうと下駄箱から靴を取り出しているところに、クラスメートから声を掛けられた。

ξ゚?゚)ξ「うん、勉強しなきゃいけないし、私もバイトだから」

(^▽^)「そっかー。旦那に浮気されてなきゃいいネw」

ξ゚?゚)ξ「もー!」

その時、ツンの脳裏に、卒業アルバムのあのメッセージが浮かび上がった。
あの日以来、ジョルジュが以前付き合っていた「さやか」という女の子のことが気になって仕方がなかった。

(^▽^)「冗談だってwそんな暗くならないでよ。
     あ、バス停まで一緒に行こーよ」

ξ゚?゚)ξ「うん」

心が重くなるのを感じながら、うわばきを下駄箱にしまった。

( ^ω^)「おーすっかり寒くなったお。息が白いお」

('A`)「もうすぐ雪降るかもな」

学校の帰り道。二人はいつものように、近くの本屋へ向かっていた。
先月まで赤く色付いていた木の葉はすっかり風にさらわれ、はだかんぼうの木々が北風に必死に耐えている。

('A`)「そういやお前、就活どなってんの?」

(;^ω^)「まだ一社も内定もらってないお」

('A`;)「・・・・・・・マジでか」

本屋に入り、ドクオは「アニメ・ゲーム 雑誌」のコーナーへ一人向かった。
ブーンは店内を見渡し、「パソコン資格」の分類の本棚へと向かった。

( ^ω^)「今のご時世、資格を持ってないと就職できないのかお・・・・
     まだ漢検3級と英検4級しか持ってないお」

ブーンはパソコンの資格の本を手に取り、一通りさらさらっとページをめくった。

( ^ω^)「パソコンなんてネットしかやらないお」

学校の授業でパソコンをやってはいたが、就職活動にそれ程危機感がなかったブーンは
検定を受けるまでに思考が及ばなかった。
今思えば、もっと貪欲に資格取得に挑めば良かったと思う。

( ^ω^)「とりあえずこの本買うお」

今からでは遅すぎることは分かっていたが、
裏表紙に表示されてある値段を確認し、財布の中身を確かめると
ブーンはレジに向かった。

会計を終え、ドクオのもとへ向かうと、ドクオは電撃萌キングを立ち読みしていた。

('A`#)「なんだよ!こんな明らかに狙ったとしか思えないパンチラなんて萌えねーよ!
    こんなのただのエロ本だろうが!!大体俺は健全な萌えをだな・・・」

( ^ω^)「ドクオ、俺の用事は終わったお」

('A`)「おう。じゃ行こか」

ドクオは雑誌を本棚にしまった。

( ^ω^)「何にそんなに怒ってるお?」

('A`)「萌えってゆーのはさ、何気ない仕草とかキャラの持ち味から自然に滲み出るものなんだ。狙っちゃだめなんだ。
   メディアはそれを分かっちゃいねー」

( ^ω^)「???そうかお。奥が深いお。
      ところでドクオは女の子には興味ないのかお?」

('A`)「何言ってんの。俺の恋人はシスプリの咲代だ」

(;^ω^)「ちょwwwwそうじゃなくて
     生きてる女の子を好きになったことはないのかお?」

('A`)「三次元に興味はない」

( ^ω^)「????さんじげん??????」

('A`)「俺には咲代がいるからな」

(;^ω^)「・・・・・・もういいお」

ドクオと別れ、ブーンは家路を急いでいた。早く帰って、さっき買った本を読みたかったのだ。
空はすっかり夜の帳が下り、小さな星たちが輝いていた。

( ^ω^)「きれいなお星様だお」

ブーンは星空を見上げながら夜道を歩いていた。

( ^ω^)「それにしてもドクオは漫画の女の子にしか興味がないなんて不健全だお。
     ぜったいおかしいお」

そんなことを考えながら自宅近くまで来たところで、後ろから声をかけられた。

( ゚∀゚)「よおブーン」

( ^ω^)「お?ジョルジュ!?どうしたお??」

そこには、図書館に行ったはずのジョルジュの姿があった。

( ゚∀゚)「ちょっと話があるんだ。いいか?」

( ^ω^)「わざわざ来たのかお。いいお、俺んちに来るお」

( ゚∀゚)「すまないな」

ブーンはジョルジュを連れて帰宅し自分の部屋に通した。

( ^ω^)「適当に座ってくれお。今ジュース持ってくるお」

( ゚∀゚)「いや、いいよ。お構いなく」

( ^ω^)「どうかしたお?何か話でもあるのかお?」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・うん、ツンのことなんだけど」

(;^ω^)「ツンがどうかしたかお?」

( ゚∀゚)「ツンのさ、様子がおかしいんだよね。
    まぁ男が苦手なのは付き合う前から分かってたけど」

(;^ω^)「そうかお・・・」

( ゚∀゚)「この間俺んちに呼んだ時にいい感じになって、先に進もうとしたんだけど・・・
     あいつ、急に泣き出したんだよ・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「俺、どうしたらいいかわかんなくて。
    最近会う機会も減っちゃってるし、あいつきっと不安がってると思うんだ」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「お前、あいつから何か聞いてない?
     俺に対することとか、悩みがあるとか・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・俺はツンとは連絡とってないお」

( ゚∀゚)「え?なんで?あんなに仲良かったじゃん」

(;^ω^)「ジョルジュに悪いと思ったお」

( ゚∀゚)「んなこと気にすることないのに。そんなことで怒ったりしねーよ。
     付き合う前の方がよっぽどお前にやきもち焼いてたっつーの」

(;^ω^)「それもそうかお・・・・・」

( ゚∀゚)「んー、でもお前が何も聞いてないなら仕方ないな」

( ^ω^)「すまんお」

( ゚∀゚)「お前が謝ることじゃねーよ」

( ^ω^)「ツンはジョルジュのこと好きなはずだお。だから自信持つお」

ブーンはジョルジュに精一杯の励ましの言葉をおくったつもりだったが、
急にジョルジュの顔色が変わった。

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・・・そんなことは分かってるよ」

ジョルジュの口調が少し暗くなる。ブーンへの微かな怒りが感じられた。
お前なんかに言われなくとも、俺が一番ツンを理解している。
そんな心の声が聞こえてくるようだった。

(;^ω^)「・・・・・・・すまんお」

( ゚∀゚)「・・・じゃあ、俺は帰るな。急に押しかけてごめんな」

( ^ω^)「気を付けて帰るお」

( ゚∀゚)「サンキュ。また明日、学校でな」

ブーンはジョルジュを玄関先で見送り、自分の部屋に戻った。

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・嘘ついちゃったお」

ツンがジョルジュに体を許さない理由は、ブーンは痛いほど分かっていた。
ツンと付き合う以上、早かれ遅かれぶち当たる壁。
いつかこんな日が来るのではないかと、ブーンは常々思っていたのだ。

( ^ω^)「ツンが何も言わない以上、俺からはジョルジュに話せないお」

ブーンは制服のままベッドに寝転がり、先ほど買った本を読もうと、バッグの中を漁った。

( ^ω^)「・・・・・お?」

ふと手に何か固いものが当たり、無意識にそれを取り出した。

(;^ω^)「・・・・・・・・これは・・・」

それは、数ヶ月前にツンから借りたCDだった。
あの日返そうと思ってバッグに入れたまま、今日に至っていたのだ。

( ^ω^)「・・・・・・・・返せる日は来るのかお・・・・」

CDを再びバッグにしまい、先ほど買った本を取り出す。
あお向けでベッドに寝転がりながら本のページをパラパラとめくった。

ブーンは本を眺めながら、これまでのことをぼんやり考えていた。
ツンといた日々が、輝やくように脳内にうつしだされた。

( ^ω^)「就活もうまくいかない・・・ツンとも喧嘩したまま・・・・・」

( ;ω;)「俺は・・・本当にだめな男だお・・・・・・」

涙が耳元へ流れる。
本を枕もとに置き、うつぶせになってむせび泣いた。

( ;ω;)「おっおっおっ・・・・・」

あの時、ツンに何か声をかけてやれば・・・。
ツンの頬に流れる涙を拭ってあげることができれば、こんな”今”じゃなかったかもしれない。
ツンの輝くような笑顔をそばで見続けることができたかもしれない。
でも自分にはできなかった。ツンの心の傷に向かい合うことができなかった。
それどころか、あの時の自分の行動はツンを突き放す結果になってしまった。

後悔しかない。
あの時ツンに何もしてやれなかったせいで、こんなに悔むなんて思ってなかった。

( ;ω;)「俺は・・・俺は・・・本当にだめな男だお・・・・・・俺は・・・・・・・うう・・・・」

そんなことを繰り返しつぶやく。
こんなことをしてもツンと仲直りできるわけではない。でも自分には何もできない。
メールも電話もできない。直接会うこともできない。
何もできない。
あんなに毎日聞いていたツンの声を、もう聞くことができない。

( ;ω;)「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ツンのことはジョルジュが幸せにしてくれる。
自分がいなくても、ジョルジュがそばにいればツンはきっと昔の傷を癒せるはず。
ツンには、ジョルジュと一緒にいるのが一番いいはずだ。
少なくとも、無力な自分がそばにいるよりは・・・・。

こんなにもツンの存在を遠く感じたことがあったろうか。
今までにない孤独感が、ブーンを襲った―。

( -ω-)「・・・・・」

('A`)「おいブーン、どうした?元気ないな」

翌日、ブーンは珍しく遅刻してきた。
今までブーンは一度も学校に遅れてくることはなかったのだが、この日は1時間目の授業をしている最中に登校してきた。

('A`)「ちょっと遅刻したぐらいで何ヘコんでんだよ」

( -ω-)「寝不足だお・・・夕べ遅くまで本を読んでいたお」

('A`)「オナニーのしすぎには気ぃつけろ。俺みたくクマができるぞ」

(;^ω^)「ちょwwwwエロ本じゃないおwwwww」

ブーンの目元が赤く腫れているのを、ドクオは見逃さなかった。
しかしあえてそれには触れなかった。
言いたい時に言えばいい。そうしたら俺はいくらでも話を聞いてやる。
ドクオは心の中でブーンにそう話し掛けた。

('A`)(でもこいつ、変に頑固なんだよな。普段はどんな些細なことも報告してくるのに、
  悩み事は一切相談してこねぇんだよな)

夕べも相当泣いたのだろう。
鼻をかみすぎたのか、鼻の頭の皮膚が少しだけカサついていた。

('A`)「溜めすぎは良くないぞ。悩みも、精子も。」

( ^ω^)「・・・・お?今なんて言ったかお?聞こえなかったお」

('A`)「やっぱニ次元が一番ってこと」

(;^ω^)「またそれかおwwwwwwいい加減目覚めるおwwwwwwww」

('A`)(その言葉、そっくりお前に返してやるよ)

ドクオはブーンの肩をポンポンと叩き、自分の席についた。
2時間目の授業開始を知らせるチャイムが鳴った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(´・ω・`)『ここで待ってて。すぐ来るから』

ξ゚?゚)ξ『うん、分かった』

ξ゚?゚)ξ〔ここ・・・どこだろう?機械がいっぱい置いてあるけど・・・薄暗くてこわいなぁ〕

ギィ・・・ガチャッ

DQN1『こんにちはー』

ξ゚?゚)ξ『?こんにちは・・・』

DQN2『ツンちゃんだよね?』

ξ゚?゚)ξ『はい、そうですけど・・・』

DQN3『あいつの言うとおり、顔は可愛いな』

DQN2『おい、鍵閉めとけ』

カチッ

ξ゚?゚)ξ『・・・?』

DQN1『ごめんねツンちゃん。ひどいことはしないよ。一緒に楽しもうね』

ξ;゚?゚)ξ『!!??』

DQN2『おい、逃げないように捕まえろ』

DQN3『おう』

ξ;゚?゚)ξ『やっやだっ、何す・・・・・・・・!!!!』

DQN1『大人しくしてればすぐすむから、ね?』

ξ;゚?゚)ξ『やだやだやだ!!!!!・・・・・・ひっ』

DQN1『やっぱ中学生、胸はねーな』

ξ;///)ξ『・・・・っっ』

DQN2『でも反応が新鮮だよな。俺の女なんてガバマンでよー』

DQN1『おい、約束通り俺が最初だからな』

DQN3『分かってるよ。ちゃんと抑えとくから』

DQN1『ツンちゃん、これ分かる?保健体育でやったよね?これがペニスだよ』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・』

DQN1『お口あけてねー』

ξ;゚?゚)ξ『むぐぅっ!?』

DQN1『歯立てるなよ、舌で舐めるんだ』

ξ;?;)ξ『ん゛ーっん゛ーっ』

DQN1『あらら、もう泣いちゃった』

DQN2『大丈夫、こうすりゃーいくら処女でも言う事聞くようになるって』

ξ;?;)ξ『ん゛っ!!??』

DQN2『なんだ、乳首たってんじゃん。まんざらでもねーよコイツ』

DQN1『オラ、もっと舌使えよ』

ξ;?;)ξ『ん゛ん゛ーっ!!!ぷはっ!』

ξ;?;)ξ『ショッ、ショボンーーーーッッ!!!!!助け・・・きゃっ!?』

DQN1『叫ぶんじゃねーよ!!!』

ξ;?;)ξ『・・・・・ぐぅっ』

DQN3『おいおい、いくら腹でも殴るのは・・・』

DQN1『うるせぇよ。
     つーかコイツうぜーな。助けなんてこねえっつーの』

ξ;?;)ξ『はあはあ・・・ショ・・・ショボン・・・・』

DQN1『黙れこのクソガキが!!!!』

ジュッ

ξ;?;)ξ『熱いっっ!!!!!!』

DQN2『自分の立場がわかった?ツンちゃん
     おりこうさんだから大人しくしてようね』

ξ;?;)ξ『・・・・・・・・・・・・・』

DQN3『あらら?ツンちゃん、おもらししちゃったよ!』

DQN2『マジで?失禁するほど嬉しかった?』

DQN1『ハハハッこいつをAV女優になれるように育てようぜ』

DQN2『いいねーハハハハハ!!!!』

ξ;?;)ξ『・・・・・・・・・・・・・・・・・』

ガチャッガチャッ

スタッフ1『あ・・・あれ?』

DQNたち『!!!!!!!!』

スタッフ2『どうした?』

スタッフ1『鍵がかかってんだよ。確かにあけたはずなのに・・・』

スタッフ2『仕方ねーな、鍵取ってくるか』

スタッフ1『おお』

DQN3『おい、ここはイベント中は誰も来ないんじゃなかったのか』

DQN2『知らねーよ。つーかどっちにしろ逃げなきゃやべーんじゃね?』

DQN3『コイツどうする?連れてく?』

DQN1『こんな状態の奴連れてったら俺たちがあやしまれるだろうが。
     逃げるぞ!』

ガチャッ!
カンカンカンカン……

ξ;?;)ξ『・・・・・・・・ううっ・・・・・・・・・・・・痛い・・・・・・』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

∬`▽´∬『ツン・・・話はアニキから聞いたよ』

ξ-?-)ξ『・・・・』

∬`▽´∬『アニキのダチから聞いたんだけど、ショボンさん、他に何人も彼女がいるんだって』

ξ;゚?゚)ξ『!!!!』

∬`▽´∬『それでね、遊びの子は仲間に売るんだって。ひどいよね』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・・』

∬`▽´∬『ツンは可愛いし処女だから、きっと高く売れたんだよ』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・・・・・』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ξ;?;)ξ『ううっ・・・ショボン・・・・』




(´・ω・`)中学生の女が欲しくて付き合ってるんだけど、正直もうウザイんだよね
・えーマジっすか?じゃあ俺に下さいよ
(´・ω・`)うん、売ってあげる。でも処女だからそれなりにもらうぞ
・分かってますって!
(´・ω・`)複数で楽しんじゃっていいから。あいつきっと淫乱だぞ
・へへっいつもありがとうございますショボンさん




ξ;?;)ξ『うう・・・・ショボン・・・・あんなに好きって言ってくれたのに・・・・
      ひどい・・・・・・・ううっ・・・・・・・・・・・』

ひどい・・・・・ショボン・・・・ひどい・・・・・・・・ひどい・・・・・ひどい・・・ひどい・・

        ひ  ど  い  ! ! ! ! ! ! ! ! !

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・はっ!!!!!!」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夢・・・・・・・」

ツンは、どこか高い所から落ちるような感覚で目が覚めた。
時計を見ると、午前5時をさしていた。
空がようやく白み始めた頃だった。

ξ゚?゚)ξ「汗びっしょり・・・・」

ツンは起き上がると、タンスから着替えを取り出しお風呂場へ向かった。

ξ゚?゚)ξ(忘れかけたと思ったのに・・・・・・・やっぱり見ちゃうんだ・・・・)

脱衣所でパジャマを脱ぐ。下着姿になったところで、ツンは鏡の中を自分を見た。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・タバコの跡って、やっぱり消えないのかな・・・」

左側の鎖骨の下に、あの時の男に押し付けられたタバコの跡が残っていた。
色白のツンの肌には、くっきりと印を刻むようにその跡が浮かび上がっている。
まるで、レイプされた証のように・・・。

ξ;?;)ξ「ううっ・・・もうやだ・・・」

そのままツンはその場に泣き崩れた。
当時の自分の幼さを呪いながら。

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先生・生徒・禁断 | 【2015-09-27(Sun) 20:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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